ビジネスにおける地図の活用事例集
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PROFILE本稿は、2021年3月の米国Esri社発表事例「Single Source of Truth Guides Market Expansion」をもとに作成したな意思決定Case Studies Vol.18止組織名:Carhartt, Inc.URL:https://www.carhartt.com/使用製品ArcGIS Business Analyst課題・バラバラに管理されているデータの統一・事業拡大によるパートナーへの悪影響の防導入効果・データに基づく市場の理解と、よりスマート デモグラフィックデータのインフォグラフィックス耐久性に優れた高品質のワークウェアを作り続けてきたカーハート社は、卸売りと消費者への直接販売を行う大規模な多国籍企業である。新しい市場や販売チャネルへの拡大を目指し、あらゆるレベルでのスマートな意思決定をサポートするために、同社は部門横断的な統合戦略の策定に役立つデータの統合環境を開発する必要があった。オムニチャネルマーケティングでは、連携したコミュニケーションチャネルを通じて顧客体験を向上させ、顧客との関係を改善するが、分断されたデータがその展開を妨げていた。ArcGIS Business Analyst(以下、BA)を採用することで、人口統計、ビジネス、ライフスタイル、消費、および国勢調査のデータを地図分析と組み合わせ、市場計画、オムニチャネル展開、および顧客セグメンテーションの共通かつ完全な事業像を明らかにした。消費者が必要な商品を簡単に手に入れられるようにすることは、同社の事業拡大における基盤となっている。しかし、顧客満足は唯一の考慮事項ではない。早くから、自社製品へのアクセスを確保する最善の方法は、小規模な小売店や巨大な卸売業者を含むパートナーとの関係を育み、自社のリーチを拡大することだと考えていた。最近では自社の実店舗に加えて、eコマースのチャネルも追加した。このような規模の拡大においては、あるチャネルの成長が隣接するチャネルにどのような影響を与えるかを十分に理解する必要がある。拡大は同社のネットワーク、特に創業期からカーハート製品を扱ってきた小規模な小売店とのカニバリゼーション(共食い)が起こらないように計画されなければならない。この課題に対して、同社はデータとGISを活用し、統一的な拡大戦略を構築した。無計画だったチャネルの優先順位は見直され、また、偏見に満ちた伝聞データはすべてのチャネルやパートナーを含む統合された情報源に置き換えられ、同社の安全で確実な拡大を可能にした。データチームを編成し、複数の情報源のデータを統合した。BAで販売データとEsri社が提供するデータ(人口統計、サイコグラフィック、消費習慣)を比較して表示することで、あらゆる市場のパフォーマンスと可能性を理解することができるようになった。複雑なスプレッドシートや静的なPDFは、地図による直感的なビジュアライゼーションや対話的なインフォグラフィックスに置き換えられ、経営層の意思決定に役立っている。33の実店舗、大小の小売流通パートナー、およびeコマース取引を含む、すべての販売チャネルのパフォーマンス指標を1つの対話的な地図で表示できるようになったことで、新たな見込み客を検討する際に、既存のチャネルや任意の地域でのパフォーマンスを一目で確認できるようになった。データ戦略・分析担当副社長であるスティーブ・ブレナン氏は、「地図上に重ねると、実にさまざまなストーリーが見えてきます。ある地域の大規模な卸売業者との関係を強化海外事例■概要■課題■課題解決手法および効果統合データとGIS活用で市場を拡大カーハート社

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