ビジネスにおける地図の活用事例集
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開発マンによる商圏分析ダッシュボードアプリ利用の様子 商圏分析ダッシュボードアプリ(ArcGIS Web AppBuilder)(インフォグラフィックス) 商圏レポートCase Studies Vol.181. 操作面ArcGISのWebアプリは、簡単に操作できるため、多忙な開発マンにも受け入れられた点2. 機能面以前利用していた商圏情報抽出用GISと店舗実績確認用の地図ツールの、別々の2つのツールで運用していた機能を、ArcGISのWebアプリに1本化できた点3. 費用面ArcGIS Onlineのアカウントを開発マンに付与しても、従来の運用よりもコストが削減できた点ESRIジャパンとの商談を進める上で、課題やGISの機能要件を事前にリストアップし要件リストとしてまとめて、打ち合わせ時に活用した。次期GISに関して情報収集していた中、ESRIジャパン主催の商圏分析をテーマとしたウェビナーを視聴した。ウェビナーで紹介されたArcGISのダッシュボードアプリを見て、見やすくて使いやすそうという印象を受け、より詳細な情報交換をするために営業担当とのコンタクトを開始した。ESRIジャパンとの商談を進めていく中で、ArcGISが前述の課題を解決するツールだと確信し、導入に至った。同社は、特に以下3点がArcGIS採用に至った大きな要因と考えている。要件リストをベースに、以前利用していた商圏情報抽出用GISと店舗実績確認用の地図ツールの2つのツールの機能やデータ要件を、ArcGISでどう実装していくか定義し、商圏分析ダッシュボードアプリを構築した。導入支援には、ESRIジャパンのコンサルティングサービスを利用した。商圏分析ダッシュボードアプリの実装は、プログラミング無しで構築が可能なArcGIS Web AppBuilderを採用し、短期間でのアプリカスタマイズに対応した。商圏分析ダッシュボードアプリ上には、自社店舗データと統計データを結合し、グラフや数値で配置し、地図と合わせて直感的に商圏情報を把握できるよう設定した。ダッシュボードアプリ上で有望な物件と判断した出店候補地は、ArcGIS Business Analyst Web Appのインフォグラフィックス機能から商圏の詳細なレポートをPDFで出力し、開発マンが現地調査に向かう。現地ではインフォグラフィックスを閲覧し、現地で確認する情報と合わせて調査を行っている。また、出店稟議にかける際の参考資料にもインフォグラフィックスを利用している。以前は候補物件1件辺りに約90分かかっていた商圏データ抽出業務が、ArcGIS導入により30-40分で実施できるようになった(約60%削減)。GIS管理者に集中していた業務を開発マンも実施することで、業務負荷の分散や待ち時間を解消した。店舗開発部門長は、「ArcGISの導入により、データ分析のスタートラインに立つことができた」と評価する。コスト面では、以前利用していた2つのツールをArcGISに1本化したことにより、毎年のランニング費用を約50%削減することに成功した。また以前は、有望と判断されない候補物件の調査もGIS管理者に依頼していたが、開発マン自らが気軽にダッシュボードアプリ上で商圏情報の確認、選別が行えるようになり、その分有望な物件の調査に割く時間と件数が増えたという。また、開発部門の現場責任者からは、「今後、開発マン自らデータを見て考える力をつけてもらいたい」とのコメントがあった。実際に通常業務での利用の他にも商圏分析ダッシュボードアプリから抽出したデータを使って、出店起案資料を独自にアレンジする開発マンも出てきている。同社では、新規事業を中心に、お客様に喜ばれる場所に出店をしていきたいと考えており、その分析にArcGISを活用したいと考えている。また、成熟期にある事業では、どの既存店舗を残すことがお客様と同社にとって最適かといった、店舗の統廃合の分析にも活用が見込まれる。分析した結果のデータを個人に留めることなく、開発マンに積極的に共有することで、現場で培った経験に加え、知識レベルの底上げにもつなげていきたいと考えている。> ビジネス > 小売■ArcGIS採用の理由■課題解決手法■効果■今後の展望活用事例出店候補地分析の効率化手法とそのメリットとはリユース業界最大手企業における

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