ビジネスにおける地図の活用事例集
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Esriから参加した開発者はPortal for ArcGISやArcGIS for Serverを活用し、位置情報と時間ごとの Twitterユーザのデータを可視化。インタラクティブなマップアプリケーションを作成し、ツイートパターンの特徴や人口統計学的な顧客の特性をマップ上に表示できるようにした。また、IBMのソーシャルメディア分析では、ツイート内容、位置情報、心理言語学的な特性を解読し、地域毎の各アパレルメーカーへのイメージの評価を行った。ツイートには含まれない性別や性格の特徴といったTwitter利用者に関する情報は、IBM Accelerated Discovery Labのアルゴリズムにより推測され、マップの下に表示された。アパレルメーカー8社へのツイートのマップは、プルダウンメニューから選択可能で、各企業のツイート内容や顧客の特徴を簡単に比較することができる。顧客の内在する特徴を表すデータを個人レベルで抽出できるので、CRMツールとしての利用も可能だ。プ」を構築した。ツイートの分析をし、顧客のニーズを把握しようというプロジェクトだ。IBM Accelerated Discovery Labでは、ソーシャルメディア分析を始めるにあたり、1日あたりのTwitterコンテンツの10%にアクセスすることができるライセンスを取得した。特定のアパレルメーカーに関する顧客のツイートをすべてを分析し、モニタリングすることは可能だろうか。EsriとIBMのプロジェクトチームはこの問いに答えるべく、全米に展開するアパレルメーカー8社をソーシャルモニターマップのモデル企業として、複数の視点から8社に関するツイートの分析を行った。リアルタイム情報を提供するソーシャルメディアの分析が、突発的に発生した課題の解決とブランド管理に力を発揮した例がある。ある時、あるモデル企業の製品に関する苦情のツイートが集中したことがあった。ツイートをソーシャルモニターマップに表示してみると、その製品に関する顧客の反応が地理的にどのように分布しているかがわかる。予想通り、その製品に関るツイートが特定のエリアで増加していた。「GISは問題の大きさを特定することに役立つ」とIBM Accelerated Discovery Labの研究スタッフでデータ統合のエキスパートであるメアリー・ロス氏は言う。「IBMの分析手法と地理情報を組み合わせることで、ツイートの混乱がどこで発生しているのかを迅速に把握することができる。マップを活用することで、混乱の発端となった地域の特定や、混乱の広がり具合、例えば、混乱はロードアイランドに端を発したものだが、全国的というよりはむしろ地域的な広がりでしかない、といったことを視覚的に理解することができるのだ。このような情報は迅速な対応を促し、ブランド管理と課題解決に費やすコストの削減につながる。」ソーシャルモニターマップは、ツイートから抽出した情報を可視化するシンプルかつ効果的な方法だ。ツイートデータを分析していくことで、顧客の性格や購買層をより理解することができる。そこから得た情報を活用することにより、企業はブランドイメージをつくり、突発的な課題に迅速に対応することができるのだ。Advanced Analytics分野■ ツイートから顧客の特徴を分析■ ツイートの見える化で迅速な対応活用事例

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