ビジネスにおける地図の活用事例集
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プラットフォーム設計本部 アドバンストデザイン部環境設計コンサルティンググループグループ長 伊勢田 氏(右)、新田 氏(左)組織名:株式会社竹中工務店住所: 〒136-0075問合せ先: 設計本部 アドバンストデザイン部 環境設計コンサルティンググループURL:https://www.takenaka.co.jp/使用製品ArcGIS EnterpriseArcGIS GeoEvent Server課題・空間的なデータの取得頻度のばらつき・アンケート回答者の主観的な評価による導入効果・リアルタイムの情報収集と可視化・客観的なデータに基づく空間評価が可能に東京都江東区新砂1-1-1結果の信頼性の低下GISTAで用いるヘルスデバイスとスマートフォンアプリPROFILE竹中工務店は日本の大手総合建設会社で、国内外の多様な建築プロジェクトや施設開発に従事している。同社の設計本部アドバンストデザイン部では、最新技術を駆使して設計支援を行っており、その一つとして環境を考慮したコンサルティング事業を行っている。建物を設計する際には、外観もさることながら、屋内環境の快適性も重要である。その快適性を評価する際、これまではそのオフィス空間で働く人に対してアンケート調査を行っていたが、アンケート回答者の主観的な評価になってしまうことや空間的なデータの取得頻度にばらつきがあることが課題であり、より客観的かつ粒度の高いデータに基づく空間評価手法を模索していた。そこで無意識かつリアルタイムに情報を取得できるヘルスデバイスを装着することで生体情報を取得し、位置情報と紐づけた新たな空間的な評価手法として「GISTA (Geographic Information System Total Analysis)」と呼ばれるGISを活用したシステムを開発した。同社では、環境エンジニアリングの業務の一環として建物の屋内環境をデザインしている。その際に屋内空間の快適性を評価しており、これまではオフィス空間で働く代表的な人に対してアンケート調査を実施し、1日に数回、特定の場所での温度、明るさ、音、空気などに対する快適度(満足度)を7段階等で評価していた。しかしこの方法は紙で回答してもらった情報をExcelに入力するため、集計から分析、評価までに時間がかかるという大きな課題があった。またアンケート調査は回答者の主観的な要素が入るため、集計した結果が信頼性のあるものかどうかの判断が困難であった。同部の伊勢田氏は2015年(平成27年)から3年間米国カリフォルニア州の大学に社会人留学した際に、授業でGIS(ArcGIS)に出会い、建設・不動産分野におけるGISの有用性を感じていた。そして帰国後、アンケート調査に替わる新たな屋内環境評価手法として、位置情報と生体情報を連携させ、GISに取り込むシステムの開発に着手し、名前を「GISTA」と名付けた。システム開発の検討段階においては無償のオープンソースも検討したが、GISとしての豊富な分析機能、多様なデータソースの取り扱い、システムの拡張性などを考慮し、GISプラットフォームとして利用できるArcGISを採用した。 さらにEsri社が世界的シェアを確保していることによる安心感も採用の決め手となった。■概要■課題■ArcGIS活用の経緯ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長・ 位置情報と生体情報を統合して屋内環境の可視化、分析が可能に・ 屋内環境の空間的な快適性があらゆるデバイスから閲覧可能に位置情報×生体情報によるオフィス空間の評価株式会社竹中工務店

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