ビジネスにおける地図の活用事例集
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プラットフォームCase Studies Vol.17要技術研究所 都市防災・風環境グループBCP・リスクマネジメントチームリーダー(上席研究員) 高井  剛 氏(中)桑名 秀明 氏(右)主任研究員 研究員 古川 大志 氏(左)技術研究所住所:〒182-0036 東京都調布市飛田給2-19-1問合せ先:都市防災・風環境グループ電話番号:042-485-1111使用製品ArcGIS EnterpriseArcGIS GeoEvent ServerArcGIS OnlineArcGIS Desktop課題・各クライアントにアプリのインストールが必・情報を閲覧できるPCが限定的導入効果・オフィス以外の場所からでも情報を閲覧で・ワンストップで必要且つ最新の情報にアクセPROFILE組織名:鹿島建設株式会社URL https://www.kajima.co.jp/きるようになったスできるようになった日本は、地震、津波、台風、豪雨など、さまざまな自然災害に見舞われやすい環境にある世界有数の災害大国である。鹿島建設では、これら災害に対処するためにBCP(事業継続計画)を積極的に推進している。その対応策として、拠点周辺の災害リスクを地図上に可視化し、被災リスクの最小化、事業継続・業務再開の早期化を支援する「災害情報共有システム」を2019年(令和元年)から全社員向けに公開している。このシステムでは、日本全国の拠点の位置とさまざまな災害情報を重ね合わせて表示する「オンラインハザードマップ」と呼ばれるWebマップを提供しており、平時のリスク予測から発災後の対応支援までに役立てることができる。時々刻々と変化する気象情報、地震発生後の震度情報などがリアルタイムに取得・可視化されるので、利用者は拠点に影響を及ぼすリスクをいち早く把握することが可能である。このシステムの導入により、社内ネットワークにアクセスできる環境があれば、社員はいつでもどこでも情報を閲覧できるようになった。また、災害情報が集約、一元化されたことにより、必要な情報を効率的に取得できるようになった。現在稼働している災害情報共有システムの導入前から、社内で情報を共有するシステムは存在していたが、次のような課題を抱えていた。災害情報を閲覧するアプリとして無償のGISビューアーであるArcGIS Explorer Desktopを採用していたが、各社員が自分のPCにインストールしなければならず、導入やメンテナンスに時間を要していた。また、閲覧できるアプリが限定されていたため、オフィス外の現場などで情報を見ることが難しい状況であった。以前からArcGIS Explorer Desktop をはじめとして、ArcGIS DesktopやArcGIS OnlineなどのArcGIS製品を利用していたが、現システムでは、ArcGIS EnterpriseとArcGIS GeoEvent Serverを新たに採用した。ArcGIS Enterpriseは、全社的にWeb GISを活用するためのGISプラットフォームとして導入された。これにより、データ管理の一元化とさまざまなWebマップの作成ができ、全社員がシステムを利用できる環境が整った。また、情報のリアルタイム性を重視し、動的にリアルタイム情報を取得してWebサービスとして提供できるArcGIS GeoEvent Serverを併せて導入することにした。この導入により、各拠点の情報の定期的な更新や、災害情報のリアルタイムの可視化が容易にできるようになった。災害情報共有システムのサーバーは、AWS(Amazon Web Services)環境に実装されており、ArcGIS EnterpriseとArcGIS GeoEvent Serverが、データ取得・更新、データ管理、サービス配信を行っている。クライアントとして、各種Webマップを表示ArcGISプラットフォームの特長ArcGISプラットフォームの特長・ BCP対策用に全社的に利用できるWeb GISシステムを活用・ 社内外の最新情報を一元管理■概要■課題■ArcGIS活用の経緯■システムの内容リアルタイム情報に対応した災害情報共有システムのBCPへの活用                    鹿島建設株式会社

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