ビジネスにおける地図の活用事例集
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DHLがArcGIS Serverを使用する以前は、集配ターミナルで膨大な時間を割いて車両グループごとに荷物を並べ替えていた上、エラーが発生する余地も大いにありました。ArcGIS Serverを実装した後、DHLは、大まかにしか荷物を仕分けることができない郵便番号を使わず、個々の配送ルート用に荷物を並べることができるようになりました。これにより、荷物の並べ替えや詰め替え場所を決定するために費やす時間と労力を50%削減することができました。細分化・最適化されます。すべてのデータは携帯端末とLANを介して施設全体で共有できるため、スタッフはすべてのデータにいつでもアクセス可能です。配送計画が作成されたら、納品書と配達コードは、各荷物と同期されます。新システムの結果、今ではドライバーがターミナルに到着する時間には正しい配送ゲートに荷物が配置されています。ドライバーがダブルチェックをして荷物を積み込んでも、システムが実装される前にかかった半分の時間でターミナルの外に出ることができるようになりました。ターミナルごとのツアーの数を最適化することができれば、DHLは、配送チームの規模と各車両の走行距離を最小限に抑えることができます。ルートは毎日最適化することができるため、冬の休暇シーズンなどの出荷ピーク期間中に必要となる労力とリソースを減らすことができます。このシステムはすぐに稼動し、各種パラメータの設定とフェールセーフ対策も組み込まれました。「システムが停止するような事があってはなりませんからね」ダーリン氏は強調して言います。「我々はシステムに依存しています。これが機能しなくなったら本当に困ります。」節約できた時間は、一日の1配送ルートあたり約30分相当になり、DHL Expressは現在、端末から一日あたり1200もの配送ルートを運営しています。最適なネットワークが構築できれば、総輸送コストが低下し、各車両の走行距離を最小限に抑えることができます。「これにより当社の競争力が向上し、荷物の回転率が上がり、利益も向上しました」とダーリン氏は言います。ツアーの最適化は、集配と配送チームのコスト低下につながります。適正な配送価格で、配達時間内に正確に荷物を届けることにより、顧客の満足度を高め、顧客ロイヤルティの向上につながります。DHL Expressは、ArcGIS Serverにより一石三鳥の業務改善効果があったといいます。本来の目的が達成されただけでなく、顧客へのサービスも向上したこと。そして、運転時間が正確になったため、環境への影響が軽減されたことです。Digital Supply Chain Management分野■結果活用事例

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