ビジネスにおける地図の活用事例集
21/70

サプライチェーン分析例:物量・費用の集計・可視化サプライチェーン分析例:拠点・需要地の整理ArcGIS Business Analystでの基本統計インフォグラフィックス公開レイヤーを利用することができる。Power BIでの地図上の可視化・分析では、ArcGISが利用されていることを知り、早速ArcGIS Proのトライアル版で評価を開始した。トライアルを通じて、ArcGIS Proでは地図上でのデータ表現機能が豊富であり、また操作も直感的であることを確認できた。さらに、ArcGIS Proは国内外のデータを取り扱えるため、グローバルな分析にも対応できる点や、グローバルでのトップシェアを誇る点が評価ポイントとなった。加えて、ArcGISのライセンス費用が比較的手頃であることも選定理由の一つとして挙げられた。サプライチェーンの分析においては、顧客の協力を得てサプライチェーンの工場や倉庫、配送先の拠点情報、輸送コストや今後の計画など、物流に関わる各種データを収集・加工し、それらを分析ツールに取り込む。その上で、分析・可視化を実施しながら、現状のサプライチェーン網を理解し、業界や荷主が抱える課題や将来の計画を踏まえて、最適な拠点配置や物流計画を策定する。既存の物流拠点や取引先情報、物量・需要予測の結果をArcGIS Proに取り込む。色彩やポイントの形状などを工夫することで、視覚的にわかりやすいマップを作成することができる。その結果、単にデータやグラフだけでは捉えきれない位置関係の適切性や問題点を確認できた。加えて、Living Atlasで公開されている人口統計データやハザードデータなどを組み合わせることで、候補地の倉庫スタッフの集めやすさや自然災害のリスクといった、拠点選定における妥当性の評価も可能となった。ArcGIS Proを導入し、物量や需要、必要に応じて需要の重心点など、地図上に表示させる複数レイヤーの表現方法を工夫することで、社内外からArcGISの表現力の高さと分析結果のわかりやすさに対する評価を受けた。さらに、ArcGIS Proを使って物流拠点からの時間到達圏解析、拠点周辺のハザードマップ作成、また就労人口データのレイヤーを追加するなど、新しい視点での分析が可能であることを発見した。社内のメンバーからは「ArcGIS Proでこんな分析ができるんだ」との喜びの声を聞くことができた。現在は、ArcGIS Proを利用し、分析結果を地図上で可視化することをメインで行っているが、今後はさらに利用を広げることを検討している。特に商圏分析に特化したArcGIS Business Analystを使って、物流拠点周辺の就労人口の調査をさらに詳しく行うことや、自然災害のリアルタイムデータを活用することで現在起こっている災害による物流への影響の把握など、顧客のサプライチェーンの付加価値を高める情報の活用を検討している。また、グローバルに展開する顧客のサプライチェーン構築のさらなる支援に向けて、海外でも拠点の最適化を行うために必要なデータの収集や、各国の物流特性に合わせた分析法などの確立に取り組みたいと考えている。> ビジネス > 物流ArcGISでサプライチェーンの可視化・分析サプライチェーン全体の最適化を支援し■課題解決手法■効果■今後の展望活用事例2024年問題や脱炭素などの物流課題に取り組む

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る