Case Studies Vol.20宇部市 弘中 秀治 氏(右)NPO法人防災ネットワークうべ理事長/一般社団法人やまぐちGISひろば代表理事 三浦 房紀 氏(中央)株式会社エイム 西村 賢徳 氏(左)宇部市総合政策部行革推進課 課長 弘中 秀治 氏総務部防災危機管理課 副課長 江本 賢二 氏問合せ先:総務部防災危機管理課電話番号:0836-34-8139ArcGIS Online・紙媒体での多種多様なハザードマップの・教育現場で一人一台端末を活用した地理導入効果・地形と災害に関する理解促進・防災教育の充実電話番号:0836-39-6100担当者名:西村 氏Email:gis@aim-yamaguchi.co.jp組織名:宇部市住所: 〒755-8601山口県宇部市常盤町一丁目7番1号使用製品課題総合的理解が困難学習が進んでいない導入パートナー企業組織名:株式会社 エイム住所: 〒755-0151山口県宇部市西岐波区宇部臨空頭脳パーク1番部署名:GISソリューション部宇部市デジタルハザードマップ■概要■課題PROFILE2011年 (平成23年) の東日本大震災以降、全国の教育現場では教育指導要領の内容が大幅に改定され、防災教育の重要性が高まっている。一方で、山口県宇部市では近年自然災害が少なく、防災教育への意識が高まっていないこと、また紙媒体でのハザードマップが災害種別ごとに7種類297枚と細分化されていたことから、災害リスクの総合的理解が難しかった。市民の災害リスクへの理解を深めるためには防災教育に力を入れる必要があるとし、宇部市ではデジタルハザードマップを使用した防災授業の実施を企画した。「デジタルの実装」を主要事業として注力している山口県では、「デジテック・オープンイノベーション」事業の募集が行われており、GIGAスクール構想の下、小中高生へタブレットPC端末が配布されるなど、防災教育においても積極的なデジタル活用の推進が行われている環境が整ってきた。宇部市では、山口県内の団体と協働し、ArcGIS Onlineを活用したデジタルハザードマップを作成、市のホームページで公開している。また、作成したデジタルハザードマップを活用して、小中学生に向けた防災授業を行った。効果測定のために行った意識調査では、デジタルハザードマップの重要性や地域に存在する災害リスクが認知されたことがわかり、地域防災力の強化へとつながった。1999年(平成11年)9月24日、強い勢力を持った台風18号が宇部市を直撃し、市内は高潮被害に見舞われた。1万棟弱の建物が被害を受け、そのうち600棟弱の家屋が全半壊となり、当時、防災危機管理課で災害対応を行った弘中氏にとって忘れられない経験となった。それから約25年経過した現在、自然災害を経験していない若い世代にとって、災害に対する理解度や危機感が薄れてきている状況がある。これまで災害の危険性を紙のハザードマップで伝えてきたが、そもそも地図から情報を読み取ること自体が苦手な人も一定数いる中で、効果的な教育ツールの不足が課題であった。紙のハザードマップを市民へ配布してきたが、7種類297枚と細分化されており、リスクの正しい認識が住民には十分に広まっていなかった。また、宇部市の教育現場では、GIGAスクール構想でタブレットPC端末を小中学生に貸与しているが、教育現場でタブレットPC端末をどう活かすかというデジタル活用における課題もあった。そこで、山口県内でGISソリューション事業を展開している株式会社エイム、GISコミュニティ形成・GIS教育に力を入れている一般社団法人やまぐちGISひろば、防災教育の活動を行っている特定非営利活動法人防災ネットワークうべ、GIGAスクールを推進している宇部市教育委員会と協働し、デジタルハザードマップの作成および防災教育を推進するための企画を立ち上げ、「デジテック・オープンイノベーション」事業に採択された。デジタルハザードマップを活用した防災教育による地域防災力の強化宇部市 総務部防災危機管理課
元のページ ../index.html#48