プラットフォームCase Studies Vol.18PROFILE組織名: 国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所住所: 〒115-0042問合せ先: 流域治水推進室(調査課)電話番号:03-3902-3220使用製品ArcGIS OnlineArcGIS ProArcGIS Web AppBuilderArcGIS Experience Builder課題・現状を正確に表現できる3D河川管内図の・行政サービスの向上導入効果・デジタルツイン構築の取り組みや有効性に・関係者や周辺住民の防災意識の向上・職員の情報発信力の向上荒川下流河川事務所東京都北区志茂5-41-1整備対する幅広い認知・ さまざまなフォーマットのデータを取り込んで表現できる・ 3Dマップを簡単にWebで一般公開でき、所内での情報共有にも活用できる国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所(以下、荒川下流河川事務所)は、荒川の下流部約30kmにおいて、洪水・地震から街を守る治水対策、良好な環境の保全、維持管理、地域連携の推進を主要な事業としている。同事務所では、健康な川づくりを目指すことを運営方針として、以下の3つの柱(ミッション)を推進している。1.DX:データの3次元化により業務効率化の促進、行政サービスの向上を目指し、DXを推進2.ミズベ・グリーンコミュニティ:協力団体、サポーターとのパートナーシップを強化するグリーンインフラを展開し、荒川下流ミズベ・グリーンコミュニティを構築3.SDGs:持続可能な川づくり、まちづくり、ひとづくりの取組を推進することでSDGsに貢献これらの活動を強化するための施策として、誰でも荒川の現状を正確に把握できる「Arakawa Digital Twin」(あらゆる荒川流域に関する情報を3Dモデルをベースに一元化)の構築を進めており、その先鞭となる成果が本稿で紹介する3D河川管内図と3D洪水浸水想定区域図である。これらを一般公開したことによりTVや新聞などの各メディアで取り上げられ、その有効性が広く知れ渡るようになった。今後さらに有益な情報提供を行い、行政サービスの向上や流域のあらゆる関係者との協働を促進していく。■概要■課題■ArcGIS採用の理由■デジタルツインの実現に向けた取り組みArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長荒川下流河川事務所では、国土交通省が掲げるインフラ分野のDX推進を背景として、誰が見ても理解できる荒川の空間を表現することを目指していた。河川管理をするための河川管内図は2次元の図面で作成されていたが、「橋梁下の堤防を表現できず堤防の形状が把握できない」、「湾曲する地形の表現が困難」などの問題点がある。そこで、現状を正確に表現できる3次元の河川管内図の整備が命題となった。つまり荒川のデジタルツインの構築である。併せて、さらなる行政サービスの向上、荒川下流で活動する協力団体やサポーターとの連携強化、職員の業務効率化を促進する必要があった。これらに対応するにはGISを活用することが有効であると考えていた。3D河川管内図を作成し共有するためのGISプラットフォームとしてArcGISを導入することにした。導入の決め手となったのは以下の点である。・ 荒川下流に関する測量データや設計データなど、さまざまなフォーマットのデータを取り込んで表現することができる。・ データを可視化して簡単にWeb GISで公開でき、所内での情報共有にも活用できる。・ 将来的にオープンデータ提供を見据えるにあたって、他機関とのデータ連携、互換性が高められる。2021(令和3年)年7月5日、荒川下流河川事務所は荒川下流域の状況を詳細に把握できる国土交通省関東地方整備局河川管理のDX − 荒川下流域のデジタルツインを構築荒川下流河川事務所
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