防災・BCP における地図の活用事例集
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Case Studies Vol.13避難所の収容可能人数と実際の避難者数を比較無償で利用できるArcGIS Onlineの背景地図を活用避難勧告対象エリアの特定システム構成> 危機管理 > 予防準備■導入効果■今後の展望トコム社のForce.com)とGIS(ArcGIS for ServerおよびArcGIS Online)でArcGIS Onlineは、パブリックなクラウドトを適用して設定を行うことでさまざまなシステムのプラットフォームとしてArcGISを導入することにより、以下にあげるようなさまざまな効果があった。・ 本部と出先機関などでリアルタイムに情報を共有できるようになり、被害発生状況を地図上で把握できるため、適切に意思決定を行うことが可能になった。・ 実災害や訓練で明らかになった課題の多くがプラットフォームの設定変更で迅速に解決できた。・ 国土地理院の地理院地図など、外部機関が提供するサービスやデータを、コストをかけずに利用でき、業界標準の機能で多くのことができるパッケージであるためカスタマイズを最小限に留めることができた。2016年度には土木部にて「新土木部災害対応支援システム」の構築をArcGISプラットフォームで進めており、危機管理課と相互に情報共有する運用を実現し、2017年度には市民公開を実施する予定である。さらに、自衛隊との連携も視野に入れ、UTMグリッドによる位置参照をArcGISの標準機能で実装中である。*本稿は2017年1月に作成されたものですシステムのクラウドサービス部分は、台帳管理システム(セールスフォース・ドッ構成されている。ArcGIS for Serverは、Amazon EC2のプライベートクラウド上にあり、GISデータを管理している。GISサービスで、オンラインでさまざまな背景地図を提供している。これらGISデータと背景地図をマッシュアップしてWebマップとして配信することができ、ArcGIS Onlineで提供している各種GISアプリに追加して利用できる。アプリは、テンプレー用途に柔軟に対応することが可能である。災害が発生すると、各利用拠点(危機管理課、災害11部、区役所、外部機関)で入手した被害情報、避難所の開設状況や避難者受け入れ状況などの情報が台帳に入力される。これらの情報と関連付けられたGISデータがGISアプリの地図上に可視化され、災害対策本部での初期対応や応急対応における状況把握や発令管理などの業務に活用される。たとえば、アプリの検索機能やグラフ機能を利用して避難者の収容可能人数に対する実際の避難者数を分析して、キャパシティーを超えている場合は近くの避難所に移動してもらうことなどを検討したり、被害の集中している地域や情報の空白地帯をアプリ上で分析・抽出して優先的に作戦立案することなどを行っている。 GISによる被害発生状況の可視化と情報分析をもとにした災害対応の作戦立案■システム構成災害時の防災情報システムに求められる機能とは活用事例

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