防災・BCP における地図の活用事例集
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Case Studies Vol.14衛星画像データとハザード情報等との重ね合わせによる情報提供緊急観測データの迅速な共有だいち防災WEBポータルの構成図> 危機管理 > 予防準備■課題解決手法■効果■今後の展望理及び衛星画像プロダクト提供のWeb GISでの提供までの一連のフローを自動化できたことにより、夜間を含め防災ユーザへの迅速な情報提供が可能となった。衛星画像プロダクトの高付加価値化外部機関から配信される静的/動的情報のオンライン共有に対応することにより、各種ハザード情報等の重ね合わせが可能になり、防災ユーザのニーズに合わせた衛星画像プロダクトの提供や活用が期待される。防災機関等とのオンライン連携九州大学が運用する「九州地理空間情報ポータル」とのオンライン連携に加え、徳島県総合地図提供システムとのオンライン連携の強化が期待される。JAXAでは、平成29年度に「だいち防災WEBポータル」の本運用開始を予定しており(※)、実災害での防災ユーザへの確実な情報提供が行えるよう本ポータルの安定運用を進めなければならない。さらに、イタリア宇宙機関(ASI)との間で締結された災害協定に基づき入手するCOSMO-SkyMed衛星画像への対応や、情報共有ツールの高度化(解析結果の情報共有)等、防災ユーザの災害対応に資する衛星情報提供の実証プラットフォームとして引き続き改良していく予定である。だいち防災WEBポータルでは、ALOS-2等の緊急観測画像の集約、解析及び防災ユーザへの提供を一元的に行うことが可能となった。ArcGISプラットフォームの導入により、以下のような成果が得られている。防災ユーザへの情報提供の迅速化ALOS-2緊急観測データの被害域抽出処*本稿は2018年1月に作成されたものです ・ 防災機関等の被害推定システムや地理情報によりイメージサービス等で配信し、ArcGIS Online上に構成されるWeb GISに表示し、Onlineを経由して配信される静的/動的情報また衛星画像データは、Web GIS上に構築した「情報共有ツール」にて、データ解析する防災ユーザに迅速に情報共有する。情報プリントをWeb GIS上に表示することで、防タを取得することを可能とした。できるようにした。さらには、気象情報(降水ナウキャストや土GIS規格の外部サービスの取り込みにも対ダーによる平時及び緊急時の光学画像サービスの取り込みも対応中である。構築やアカウントの管理、マップの作成や共有範囲の制御などの様々なサービスを利用できること。/衛星画像プロバイダーが配信する静的/動的情報をリアルタイムに取り込め衛星画像プロダクトへの重ね合わせが実現できること。災害時に緊急観測されたALOS-2衛星画像データは、Amazon上のクラウドサーバーに伝送され、災害前後の変化抽出などの自動処理により被害域抽出情報等に加工する。被害域抽出情報等は、ArcGIS Enterprise外部機関のArcGIS EnterpriseやArcGIS 等を重ね合わせて防災ユーザに提供する。共有ツールでは、ラスター関数を利用し、衛星画像データのクイックルック画像やフット災ユーザが迅速且つ効率的に適切なデー外部機関とのオンライン共有では、消防研究センターの「広域版地震被害想定システム」との連携を実装し、大規模地震発生時の推定震度分布情報をリアルタイムに取得砂災害警戒判定メッシュ)、OGC等の標準応し、災害事象に対応したレイヤーを付加した情報提供ができるよう工夫している。現在は、令和2年度に打上げ予定の「先進光学衛星」の事前実証として、民間衛星プロバイ災害時に取得するALOS-2等の緊急観測画像の集約、解析及び防災ユーザへの提供を一元的に担うポータルサイトの構築活用事例

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