プラットフォームCase Studies Vol.14PROFILE(※) だいち防災WEBポータルの本運用を経て、2020年10月より「防災インタフェースシステム」に移行している。だいち防災WEBポータルJAXA衛星利用運用センターの皆さん組織名:宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター住 所:〒101-8008 東京都千代田区神田駿河台4-6問合せ先:衛星利用運用センター (東京事務所)電話番号:050-3362-7838URL:http://www.sapc.jaxa.jp/使用製品ArcGIS DesktopArcGIS EnterpriseArcGIS Image ServerArcGIS Online課題・政府・自治体の防災情報システムに衛星画像プロダクトを迅速に提供可能なシステムの構築・大容量を伴う衛星画像データの確認の効率化・防災機関等が配信するハザード情報の取り込みと衛星画像プロダクトへの重ね合わせ導入効果・防災ユーザへの情報提供の自動化・衛星画像プロダクトの高付加価値化・外部機関とのオンライン連携の実現・ALOS-2等の緊急観測画像の集約・解析・提供を一元化・防災機関等とのGISシステムのオンライン連携を実現JAXA衛星利用運用センターでは、「だいち2号(ALOS-2)」等の地球観測衛星を用いて、政府・自治体等の防災機関の災害対応活動における衛星利用を促進するための取り組みである「防災利用実証実験」を推進している。防災利用実証実験では、内閣府との間の協定の下、防災の政府指定行政機関等(以下、防災ユーザ)に対し、災害発生時にはALOS-2等の国内外衛星による緊急観測の実施と衛星画像プロダクトの提供、平時には防災情報システムや防災訓練への衛星地図情報等の提供などを実施している。防災ユーザへの衛星画像プロダクト提供は、専用のWebサイトである「だいち防災WEB」を通して行っている。2016年度には、「だいち防災WEB」の後継として、ALOS-2緊急観測画像等の提供の高速化や外部機関の防災情報システムとのオンライン連携を狙い、プラットフォームにArcGIS Onlineを利用した「だいち防災WEBポータル」を構築し、試験運用を開始した。本稿では、「だいち防災WEBポータル」の概要と今後の展望などについて説明する。■概要■課題■ArcGIS活用の経緯ArcGISプラットフォームの特長ArcGISプラットフォームの特長JAXAは、災害時に多量に取得される衛星画像データを迅速且つ分かりやすい情報で防災ユーザに提供するため、防災ユーザが運用する防災情報システムに衛星画像プロダクトを提供し、他の防災・災害情報と組合せて使用することで衛星画像をより有効に活用できるための取り組みを推進している。本取り組みの実現にあたり、次の課題への対処が必要となった。 ・ 衛星画像プロダクト等のオンライン配信による迅速なデータ提供 ・ 衛星画像データが解析や情報提供に資するデータであるかの確認の効率化・ ユーザ別での提供プロダクトや専用マップ等の作成と共有 ・ 防災機関等が提供するハザード情報等を取り込み、各種情報を重ね合わせた衛星画像プロダクトの活用「だいち防災WEBポータル」の構築にArcGISを採用した理由としては以下のようなことがあげられる。 ・ 政府・防災機関等でのGISプラットフォームとして多数利用されており、衛星画像プロダクトのオンライン配信、組織間のGISシステムでの連携の推進が容易なこと。 ・ リアルタイムな画像処理を行う「ラスター関数」機能を利用して、衛星画像データの迅速な可視化や画像演算が実現できること。 ・ GISクラウドサービスであるArcGIS Onlineを利用することで、組織専用のWebサイトの宇宙からの災害監視「だいち防災WEBポータル」宇宙航空研究開発機構(JAXA) 衛星利用運用センター
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