Case Studies Vol.16令和元年台風第19号浸水発生危険度(1.5時間実効雨量)平成30年北海道胆振東部地震面的推定震度分布> 危機管理 > 予防準備■ArcGIS活用の経緯■課題解決手法■効果■今後の展望3) 情報量の増加に伴う安定的な情報発ArcGIS Onlineを活用することになったポイントは主に次の4点である。1) カテゴリや目的別の主題図を作成でき2) 主題図を体系的に表現できることArcGISストーリーマップを用いることで、3) 様々な閲覧環境に対応4) 即座に使えるテンプレート群ストーリーマップやテンプレートが複数用トーリーマップを構築し、公開した。また、ストーリーマップテンプレートの選定リケーション、Webサイト等を埋め込み、表*本稿は2020年1月に作成されたものですWebサイトの閲覧環境が多様化しており、環境の変化に合わせる必要があった。信の困難化取り扱う情報量の増加に伴い、Web GISを用いて安定的に情報を発信することに課題があった。ることWebマップを用いることで、カテゴリや目的別の主題図を容易に作成できる。作成した主題図をカテゴリや目的別に体系的かつ容易にWebサイトとして表現できる。特別な対応を行うことなく、様々な端末での表示に動的に対応できる。意されており、開発行為やコーディングなどのスキルを必要とせずに利用できる。課題解決にあたり、まず、統合的に情報発信ができるようにNIED-CRSのサイト自体をArcGIS Onlineの組織サイトの機能を用いて構築した。そこへ災害毎に個別のスに当たっては、膨大な地理空間情報を体系的に整理し、表現するために、カテゴリや目的別に表現できるアコーディオン状のメニューが使えるものを採用した。メニューに掲載する主題図は、WebマップやWebアプ 現したい目的に応じて埋め込む内容を変化させ構築している。ArcGIS Onlineを用いてNIED-CRSを構築、公開することで、主題図を体系的に表現できるようになったことが最も大きな効果である。例えば、風水害の場合、降水量による浸水や土砂災害の解析情報(実効雨量)、台風進路情報などの警戒段階で必要な情報を発信することができるようになった。また、災害が発生した場合には、被害状況や被災地の空中・衛星写真、各災害対応機関の対応情報などの情報をそれぞれの主題図として集約し、たった1つのURLで情報を共有できるようになった。これにより警戒段階から発生時の対応まで統合的に情報発信ができるようになった。また、災害発生後にNIED-CRSを0から構築するのではなく、災害種別毎に最低限必要な情報をテンプレート化しておくことで、災害発生時に迅速に情報発信することが可能となった。さらに、NIED-CRSを構築、運用する環境としてオンライン上で完結するため、GISソフトウェア等の導入が不要となり、端末や場所を選ぶことなく構築作業を行うことができている。この点は、迅速にNIED-CRSにて災害情報を提供する上で重要である。また、様々な表現ができるアプリケーション(Web AppBuilder for ArcGIS、ArcGIS Dashboards等)が備わっているため、目的に応じた表現手法を検討する際に役立っている。ArcGIS Onlineを用いることで、体系的な情報発信を行うことができるようになった。今後は個別の主題図がよりユーザーの目的や使い勝手にあった主題図となるように検討を進めていく。具体的には、解析した情報や集約した情報を、地理空間情報のみならず、画像、数値情報、グラフなど統合的に組み合わせる表現を検討する。この検討に当たっては、ArcGIS Onlineのテンプレートも活用していきたい。ユーザーにわかりやすい災害情報の発信を目指して活用事例
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