Case Studies Vol.18PROFILE音声が到達しなかったエリアへの防災スピーカーの増設名古屋市防災危機管理局 危機対策室 山 孝太氏組織名:名古屋市防災危機管理局住所: 〒460-8508 名古屋市中区三の丸3-1-1問合せ先:防災危機管理局危機対策室使用製品ArcGIS OnlineArcGIS Survey123ArcGIS StoryMaps課題・防災スピーカー音声到達調査の分析・新型コロナ啓発活動のための、Webサイト・帰宅困難者対策のための、民間協力ビル管・避難所開設情報の公開導入効果・音声到達エリア分析の迅速化と、空白エリア・新型コロナ啓発Webサイトの迅速な構築・ビル管理者との連絡システムの構築と市民構築理者との連絡方法の効率化へのスピーカーの設置への情報提供■概要■ArcGIS活用の経緯■課題解決手法と効果名古屋市は愛知県の県庁所在地で、政令指定都市である。16の行政区を持ち、人口は約230万人と、東京特別区部を除くと横浜市・大阪市に次ぐ全国第3位の人口を有する。1959年(昭和34年)の伊勢湾台風では、名古屋市南部を中心に堤防の決壊と大量の流水が発生し多くの人命が奪われた。また、1854年の安政東海地震、1944年の昭和東南海地震など、南海トラフ沿いでは概ね100〜150年間隔で大規模地震が繰り返し発生しているため、次の地震の発生への切迫性も高まっている。防災スピーカーの音声到達調査ではArcGIS Survey123でアンケートを実施することで、非常に迅速にその結果を共有・活用することができた。またArcGIS StoryMapsを使った新型コロナウイルス感染症の啓発広報のためのWebサイトの構築や、帰宅困難者対策としての、協力民間ビル管理者との情報のやり取りと、退避施設開設情報を地図ベースで可視化し、利用者へ情報提供するためのシステムを構築した。名古屋市は2016年(平成28年)に中部大学と「地理情報システム等を活用した防災・減災対策に関する相互連携協定」を締結し、災害時のGISの活用について検討する共同研究会を立ち上げた。その中でArcGISを導入したが、導入当初はその利用方法は定かでは無く、単発で浸水想定地域の避難所の分析などが行われる程度だった。担当の山氏は、2017年(平成29年)に名古屋で開催された「ArcGIS最新情報セミナー in 名古屋」に参加し、そこでArcGIS Survey123の存在を知る。ちょうどその頃名古屋市では防災スピーカーの増設があり、その効果に対しての検証を行う必要があった。「これはGISが使える」とひらめいたという。・ 防災スピーカー音声到達調査防災スピーカーの音声到達調査は、その名の通りスピーカーからの放送がどの程度聞こえたかを調査するものであるが、通常、紙のアンケートを作成し配布、回収後結果をとりまとめ紙地図に落とし込むというアナログな作業で、時間と手間のかかるものであった。回収率も高いものではなかった。ArcGIS Survey123による調査はそれらの手間を一気に解決するものであった。「ArcGIS Survey123は回答が簡単なので回収率が飛躍的に上がりました」と山氏は語る。調査票の作成も直感的操作で作成することができ手間取ることは無かったという。また調査結果が瞬時にわかるので、速報値として発表す防災スピーカーの音声到達エリアの分析や帰宅困難者対策にArcGIS Onlineを活用名古屋市
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