Case Studies Vol.15XRAINと被災箇所の重ね図(1)XRAINと被災箇所の重ね図(2)等雨量線図災害概要図(ホームページ)より> 危機管理 > 初動応急■効果■今後の展望4)被害概要図の作成被害概要図の作成にあたっては、まず行政機関より提供された被災建物の住所情報を基に位置情報に変換(ジオコーディング)し、地図上にポイントデータとしてプロットした。次に土砂災害警戒区域や土砂災害危険箇所のポリゴンデータを地図上に取り込み(インポート)、空間検索を行うことで、区域情報と被災箇所を空間的に紐づけた。これにより、被災要因がどの警戒区域、危険箇所によるものなのかを確認した。ArcGIS Desktop上で、行政機関が保有しているデータと外部より入手できるデータを*本稿は2019年1月に作成されたものです重ね合わせ、可視化することにより、被害の状況把握が迅速に行われた。また、災害の要因となっている事象や次に警戒すべき個所を特定することで、行政機関が災害対応を行う上での意思決定を支援することができた。今回の業務において、現地調査作業でのCollector for ArcGISの活用を検討したが、時間的に余裕がなく、同製品を使うことができなかった。今後、同社では、今回のような災害が発生した場合、Collector for ArcGISによる現地調査作業と、調査結果をArcGIS Online上にアップし、ArcGIS Dashboardsにより被害状況をリアルタイムで可視化するなど、新たな仕組みを構築したいと考えている。「災害状況の可視化に、地図は非常に有効な手段である。災害発生時に地図による情報提供サイトを迅速かつ簡単に構築できることが、ArcGIS Onlineの最大の魅力であり、今後、社内でも積極的にArcGIS Onlineを活用していきたい」と曽我部氏は語った。どのオープンデータをArcGIS Desktop上また、広島県が公開(ホームページ上からダウンロードが可能)する土砂災害警戒区域2)XRAINとの重ね合わせ図作成3)等雨量線図の作成る観測雨量情報を面(ポリゴン)情報化し、理院)、町丁・字等別境界データ(統計局)なに取り込んだ。等や土砂災害危険箇所等のGISデータも収集し、同じくArcGIS Desktop上に取り込んだ。国土交通省が公開する250mメッシュの降雨情報「XRAIN(川の防災情報)」と被災箇所の重ね合わせ図を作成した。時系列で観測された降雨情報と実際に災害が起こった箇所を重ね合わせることで、降雨量と災害状況の相関を分析するための資料として活用された。広島県内各所に設置された雨量観測所の観測情報を基に等雨量線図を作成した。等雨量線図は、点(ポイント)情報として点在す降雨状況を可視化するために作成された。~発災直後に行政が必要な「状況把握」と「意思決定」を支援した技術者たちの英知~行政からの災害情報を素早く正確にArcGIS上に可視化!活用事例
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