Case Studies Vol.17左から、地図閲覧用アプリ(ArcGIS Collector)、データ取得用アプリ(ArcGIS QuickCapture)、山地災害カルテの作成支援アプリ(ArcGIS Survey123) 調査結果閲覧ダッシュボード(ArcGIS Dashboards)> 危機管理 > 初動応急■課題解決手法■効果■今後の展望3) データ更新や機能変更にも柔軟に対4) 多様なファイルフォーマットに対応しまず初めに山地災害発生後の業務フローとなる要件を整理した。林野庁国有林野クラウド基盤であるArcGIS Onlineを導ArcGIS Survey123、ArcGIS した。*本稿は2021年1月に作成されたものです調査においては上空を高速移動しながら現場を確認しデータを取得する作業が求められることから、ボタンをタップするだけで移動軌跡や位置情報および撮影方位付きの写真が取得できるArcGIS QuickCaptureを採用することとした。「令和2年7月豪雨」においてアプリ群を活用した調査を実施した結果、通信困難エリアで取得したデータが通信可能エリアに入った段階で瞬時にクラウド基盤(ArcGIS Online)に共有され、撮影箇所や写真が自動的に地図上に表示されることが確認された。また、それらの結果は、森林管理局や林野庁本庁だけでなく、同様のクラウド基盤を有する災害時情報集約支援チーム(ISUT)とリアルタイムに連携可能なことを実証した。山地災害発生後の概況把握、現地調査、復旧計画という一連のフローにおいて、クラウド基盤上に複数のアプリを構築し、それらを状況に応じて使い分けることで、情報収集および応急復旧対策の迅速化に資することが実証された。特にヘリコプターによる概況調査においては、リアルタイムに写真撮影位置と撮影方向、および移動経路が国有林や保安林等の地図情報と重ね合わせて確認できるようになったことにより、従来調査後に多大な時間と労力をかけて行っていたデジタルカメラの写真と衛星画像等による災害発生箇所の特定作業が大幅に削減される結果が得られた。今後は、地域をまたぐ大規模な災害や複数地域での同時多発的な災害の場合の情報整理の方法やシステム運用体制を確立することが課題となる。また、取得したデータについては、治山施設の設計や減災対策といった領域への利活用も期待される。今回実証された組織内外での情報共有に加え、国有林GIS等の他のシステムと連携するための検討や、実務利用により明らかになったシステムの機能改善を行うことで、より実用的なシステムを目指す。でないことや、機種に依存せずに利用できる必要がある。応できる開発環境であること 災害対応の方法や調査項目は災害の種類や調査目的によって変化する可能性があるため、発災後のデータ更新作業やアプリへの機能追加、改良が容易にでき、OSのアップデートにも左右されずに継続して利用できる必要がある。ていること 災害対策は、他省庁や都道府県といった様々な主体が整備したデータを活用しながら行うことから、多様なファイルフォーマットの取得に対応している必要がある。を把握するため、迅速な災害対応に必要部で整理されている災害発生時の業務対応フローの分析を行い、対象とするプロセスの明確化をおこなった。応急復旧対策の迅速化を実現するため、各関係主体や他の機関が取得・整備した情報をリアルタイムに共有するための入した。山地災害発生状況については、オフライン環境でも利用可能な複数の現地調査用モバイルアプリ(ArcGIS Collector、QuickCapture)をベースに、作業目的に合わせたカスタマイズを行うことで対応することと特に、ヘリコプターによる概況オフライン環境でも利用可能なモバイルアプリを活用した迅速な山地災害調査と情報共有の実現活用事例
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