Case Studies Vol.17SMART SABOポータルサイトダッシュボード画面システム構成図> 危機管理 > 初動応急■課題解決手法■効果■今後の展望*本稿は2021年1月に作成されたものですシステムの条件として5つの機能が求めら1. 目標物の無い山中で点検するためのナ2. 隊員の現在地を本部に通知する機能3. 点検結果を現場で記録する機能(オフ4. 点検帳票を作成する機能5. 現場の状況をリアルタイムに本部で確2回の実証実験を経て、下図のシステム構・ ArcGIS Collector・・・地図/現在地表・ ArcGIS Survey123・・・帳票入力、写・ ArcGIS Workforce・・・移動軌跡発信・ ArcGIS Dashboards・・・本省や本部また、調査結果を報告用のExcelファイルれた。ビゲーション機能ライン対応)認する機能成にて運用することにした。各アプリで利用している機能は以下のとおりである。示、ナビゲーション真添付での状況把握に出力するためのアドインを開発し、隊員が調査後に位置図・写真付きの帳票を簡単に出力できるようにした。地図には過去に整備した砂防堰堤情報のレイヤーなども表示している。目標物の無い山中では貴重な情報だ。さらに、調査を分かり易く始められるよう、隊員専用のSMART SABOポータルサイトを構築し、現地調査の準備、出発~調査、報告の各段階で必要なアプリ操作手順を簡潔に示した。コロナ禍で講習会の開催が難しい状況ではあったが、令和2年7月豪雨では未経験者でも問題なく利用できたという。点検表作成の効率化ArcGISの導入により点検結果がデジタル化され、また点検結果に写真と位置情報を紐づけることが可能になったため、基地に戻った後の報告書のとりまとめ作業が大幅に効率化された。安全性の向上隊員が自身の位置情報を確認しながら活動できるため、安全なルートを選びながら効率的に緊急点検が実施できるようになった。また、隊員の位置情報がリアルタイムにGIS上に反映されるため、どの班がどこで活動しているかが本部のダッシュボードで随時把握できるようになり、後方支援にも役立てることができるようになった。全国展開へ2019年度に前年度の成果として本省に対してプロトタイプの作成を報告したところ、システムの有効性が認められ、全国で試行することになった。実際に令和元年8月九州北部豪雨や東日本台風の際に活用され、隊員に対するアンケートでの評判もよく、さらに改良も加え、2020年4月に全国の地方整備局で本格運用するよう本省から通達が出された。今回は災害時の緊急点検ツールとして開発したが、平時の業務効率化としても有効活用できると考えており、今後はその可能性を検討し平時および災害時でも活用できるツールとして整備していく予定である。TEC-FORCEが実施する緊急点検の効率化と隊員の安全確保をSMART SABOで実現活用事例
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