Case Studies Vol.19組織名:Ferrovie dello Stato Italiane GroupURL:https://www.fsitaliane.it/content/fsitaliane/en.html使用製品ArcGIS ProArcGIS OnlineArcGIS Network AnalystArcGIS Web AppBuilder課題・計画段階における周辺環境の可視化・新しいスタイルの進捗管理方法導入効果・公共設備の3Dデータによる作業計画の効・ドローン測量による進捗管理の効率化と安率化全性の確保イタリア鉄道の高架橋海外事例PROFILEイタリアの鉄道ネットワークを担当する政府機関のFerrovie dello Stato Italiane Group(以下、FS Italiane Group)は、南イタリアのナポリ・バリ高速鉄道プロジェクトを担っている。このプロジェクトにおける高架橋の建設では、計画段階から施工、管理までを効率化し、安全を確保する必要があった。ワークフローを一新する手段として、ArcGIS Proとオートデスク社のBIM360の統合ソリューションを採用した。周囲の公共設備の3Dデータやドローン測量データをBIMモデルと比較することで、意思決定や進捗管理を効率的に行った。また、ArcGIS Onlineで設計情報と作業ステータスを関係者間で共有するほか、ArcGIS Network Analystを活用し、建設に付随するさまざまな作業の効率化を図った。このプロジェクトによって、FS Italiane GroupにおけるBIM/GIS活用のPoCが検証され、BIMを使用したすべてのプロジェクトにGISを展開する計画の第一歩となった。当プロジェクトには2つの高架橋の建設が含まれている。大規模な高架橋建設において、進捗状況やプロジェクトに必要な資源、および周辺環境への影響を効率的に管理し、働く人の安全を確保することは必要不可欠であった。また、作業計画を効率的に進めるために、水道管や電線など、周囲の公共設備への影響を考慮することも重要であった。加えて、現場や周辺環境の調査には、物理的な検査に伴う危険が発生するリスクがある。人員確保や時間のコストもかかるため、全く新しいスタイルの管理方法が求められていた。BIM/GISの統合欧州横断輸送ネットワーク(以下、TEN-T)プロジェクトは、ヨーロッパ全土の主要道路や鉄道などの整備により、貨物・旅客輸送の円滑化、効率化を目指している。2018年(平成30年)の終わり、FS Italiane GroupはこのTEN-Tプロジェクトの一部であるナポリ・バリ間鉄道プロジェクトの高架橋の建設を開始した。この高架橋の全長はそれぞれ800メートルと400メートルであった。FS Italiane Groupは高架橋の建設状況や使われる資材を管理するために、オートデスク社のBIM360の段階的な導入を始めた。これにより、プロジェクトの関係者は構造物の寸法情報、計画や開発にかかる時間、プロジェクトに関連するコスト、高架橋の持続可能性、運用寿命、資産管理の詳細を確認できるようになった。ArcGIS ProでBIMデータを読み込むと、ジオメトリとパラメーターだけでなく、BIMファイルの中にある他の設計情報を統合し、BIM/GISを活用したジオデザイン機能を利用できる。また、プロジェクトの設計と作業ステータスをArcGIS Online経由で公開することも可能だ。FS Italiane Groupのグループ会社、FS TechnologyのBIM/GISコンピテンスセンター長であるマルチェラ・ファラオネ氏は■概要■課題■課題解決手法および効果BIM/GIS活用で高架橋建設における計画と管理の効率化を実現Ferrovie dello Stato Italiane Group
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