Case Studies Vol.1443タブレット端末の活用シーンタブレット端末画面キャプチャ橋梁詳細点検の流れ> ビジネス > 道路■課題解決手法■今後の展望るために、タブレット用に構築したアプリに現場点検の一連の作業の課題を解決すは点検業務に必要な下記の情報および機能が全て集約されており、完全オフライン状態でも利用できるようになっている。◆高速道路の平面図、距離標、道路構造物、活断層等の調査に必要となる情報を一元管理(事前に資料コピー等の準備が不要)◆現在地を把握しながら目的地まで誘導(簡易ナビゲーション)◆注意事項等のメモを記入(情報共有)◆現在地および高速道路情報を把握しながら調査位置を特定(新規ポイント追加)◆現地での情報入力・更新と写真の登録◆画面キャプチャを保存し印刷することで、報告書作成をサポート◆調査結果一覧表(CSV)の出力により、検索、抽出等の情報管理、写真管理をサポート上記の中で、特にメモ機能を充実させており、地図、損傷展開図、損傷写真、白図に記録メモを残せるため、注意事項や備忘録など担当者が代わった場合でも、継続的に技術情報を伝承できる。また、九州の高速道路管理区域を網羅する情報をタブレット端末に集約していることから“どこでも利用可能”であり、地図、図面、写真、帳票などで構成される多様な情報であっても“動きがスムーズ”となるアプリとなっている。その他、各機能が同一基盤上で動作するシステムを開発し、端末ユーザーの操作性(UX)の向上に努めている。課題に掲げていた事前準備にリードタイムを要することなく、速やかに現場へ持ち出すことが可能となり、現場点検・診断を効率的かつ効果的に支援する点検タブレットを構築することができた。このタブレット端末の活用事例を以下に2つ紹介する。(1) 共通利用住宅地図・管理用平面図・道路構造物(橋梁・トンネル・のり面・C-BOX・跨道橋)を集約したGIS基盤情報をタブレット端末内に取り込み、地震等の災害時の緊急点検や、苦情による現地確認などの簡易的な現地点検を支援する。(2) 橋梁詳細点検橋梁の各スパンで分割された上部工データ(ライン)および下部工データ(ポイント)を地図上に表現し、点検対象となる箇所をクリックすると橋梁の緒元が確認できる。その緒元と前回点検した結果を紐付け、点検結果属性、損傷写真、損傷点検図を現地で確認しながら点検結果の更新ができる。また、新規損傷を発見した場合でも予め準備した個別損傷図形を選択し、容易に損傷形状を追加できる。橋梁詳細点検の一連作業を支援するツールとして、タブレット端末は効果的である。現地点検の前に必ず事前踏査を行い、大型車両の通行確認や待機位置、電線等の架空線有無確認などを把握する必要があるが、それらの情報を地図上にメモし、必要に応じて現場状況写真を記録することで、現地点検を効率的に支援することが可能となる。タブレット端末を活用した試行運用の結果、点検作業の様々なシーンで効果が認められた。今後、他工種への展開、遠隔点検支援やAR等の技術を取り入れ、更なる活用範囲の拡大を行う予定だ。事前準備にリードタイムを要することなく現場へ持ち出すことで現場点検・診断を効率的かつ効果的に支援■効果点検業務に必要な情報や機能をタブレットに集約活用事例
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