Case Studies Vol.20PROFILE新規事業開発部事業化推進グループメンバー組織名:ジオ・サーチ株式会社住所: 〒144-0051問合せ先:新規事業開発部URL https://www.geosearch.co.jp/contact/TEL 03-5710-0200使用製品ArcGIS Online課題・地下の正確な配管状況の把握が困難・掘削状況の全体把握が困難・現場写真と記録の相違・出来形管理の時間と労力の増加・掘削データが活用されず、無駄な掘削が発生導入効果・生産性の向上による工期短縮と労働時間の・地下状況のデジタル化による調査情報の・デジタルデータによる一元管理東京都大田区西蒲田7-37-10 10階削減品質向上「ちかデジ」アプリの画面■概要■課題■ArcGIS活用の経緯■課題解決手法ジオ・サーチ株式会社(以下ジオ・サーチ)は、インフラの老朽化、自然災害の被害を抑えることを通じて人の命と暮らしを守ることを理念としており、2023年(令和5年)9月現在国内に12拠点、海外に2拠点を構えている。空洞や構造物の劣化といった地下に潜む危険を「見える化」するスケルカ技術を開発し、インフラの老朽化対策・低コスト化を実現している。「見えない地下を診る」ことで、人々の命と暮らしを守ろうと熱い志を持ったメンバーが集うジオ・サーチは日々新しい技術と共に進化している企業だ。地下インフラの工事は道路を掘削して行う。工事前に埋設物位置状況を確認する試掘(しくつ)などもあり、いずれも交通の妨げにならないように迅速に行う必要がある。しかし、現場では手書きで記録しているため人為的なミスが起こりやすい。また、作業が終わった後に埋め戻してしまうと配管の状況は分からなくなる。手書きした記録を現場から戻ってオフィスで清書する作業にも時間と労力がかかっていた。そこでスマートフォン1つで試掘状況を簡潔に3Dデジタル化できる技術と、その情報を地図で管理するようにGISを連携させたWebアプリ「ちかデジ」を開発した。従来は試掘した現場の状況を手でスケッチし、情報を黒板や野帳にまとめていたため記録ミスが発生し、実際の配管状況と現場記録との整合チェックに時間がかかっていた。また、現場からオフィスに戻りスケッチの清書やデータの整理に多くの時間を要していた。さらに、工事竣工時の測量の場面でも、掘削穴に人が入るための安全管理が必要であった。このようにして多大な労力と時間をかけて作成した竣工図などが活用されずに、同じところを掘削してしまうなどの無駄な作業も生じていた。この掘削現場の実態を改善するため、現場で作業が完結し、使いやすく、配管や地下の情報が地図上に集められるデジタル化された仕組みを探求していた。同社は、既に社内で地下の陥没予防調査の計画や収集した地下のデータに全社員がアクセスできるプラットフォームとして ArcGIS Onlineを活用していた。社内で活用していたArcGISの技術がまさに掘削工事のデジタル化であり、労働時間の削減に大きく寄与する技術であることに気づいた。クラウド型GISであるArcGIS Onlineを通じて、現場にいながら掘削に関する情報をすぐに地図に紐づけることができる機能は画期的だった。また、スマートフォン1つで動画を撮影し、必要な情報を簡単にクラウドにアップロードできる機能も大きな魅力であり、費用を抑えて手軽にデジタル化でき、DXの入り口となることも評価された。同社は、以下の図のように「ちかデジ」を構成した。「ちかデジ」の投稿アプリでは掘削結果の投稿と確認ができる。担当者がスマートフォンを用いて現場の状況を撮影し、その動画を投稿すると、ArcGIS Onlineにすぐにアップロードされ、そのデータを、社内システムを使用して3Dデータ化し、再びArcGIS Onlineにアップロードする。地下情報デジタライズ ちかデジ®ジオ・サーチ株式会社
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