建築土木業界における地図の活用事例集
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PROFILEPROFILE26 Case Studies Vol.21技術本部 IoT技術部 シニアエキスパート 鎌田 玲央奈 氏組織名:トライポッドワークス株式会社住所:〒980-0811電話番号:022-227-5680URL:https://www.tripodworks.co.jp/使用製品ArcGIS OnlineArcGIS API for Python課題・建設業界における工事全体の最適化・膨大なデータの活用・AI解析の精度改善導入効果・映像と位置情報の一元的な可視化・位置情報を活用してAIによる映像解析精度・工事現場での業務効率化への貢献組織名:株式会社丸本組住所:〒986-0868電話番号:0225-96-2222URL:https://maru-hon.co.jp/宮城県仙台市青葉区一番町1-1-41カメイ仙台中央ビル7階を向上宮城県石巻市恵み野三丁目1番地2■概要■課題■ArcGIS採用の理由■課題解決手法トライポッドワークス株式会社は、建設現場の映像データをAIで解析し、施工実績および生産性の定量的評価を可能とする「AI解析□施工実績ソリューション:AIダッシュボード」を開発し、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション(建設DX)に貢献している。同社の技術本部 IoT技術部では、現場に設置したカメラで撮影された映像データをクラウドへ集約し、自動解析する仕組みを構築した。これにより、重機稼働率や掘削土量などの工事プロセスを視覚的かつ定量的に評価し、施工業務の効率化を促進している。2023年(令和5年)には、国土交通省が推進するICT施工の次のフェーズとして、工事全体の生産性向上を目指し、施工データの有効活用を行うために、ArcGIS導入によるAIダッシュボード機能の高度化を実現した。建設業界全体が抱える課題として、労働環境の改善、人材不足、業務効率化が挙げられており、2024年(令和6年)4月に「働き方改革関連法」の時間外労働時間上限規制猶予措置が終了することに伴い、一層の生産性向上が求められている。このような背景の中で、当該部署は現場作業ごとの映像を解析し、データ分析することに注力している。映像の解析には、AIを用いて重機とトラック等の工事車両による作業の一連の動きを学習させ、作業サイクルを自動で解析するモデルを作成した。社内には膨大な映像とデータが蓄積されているものの、工事現場全体を見える化できるソリューションが存在せず、収集したデータを一元的に可視化できるダッシュボードの導入を模索していた。しかし、本業である映像解析やデータ分析に注力する必要があるため、導入の手間がかからず容易に運用可能なシステムであることが要件であった。集約したデータを単にマップ上に表示することは他のシステムでも実現可能だが、同社が重視していた導入の手間がかからずに運用が開始できる点や、情報のリアルタイム表示やダッシュボード自体の見栄えの良さなど、ArcGISの充実した機能とユーザーインターフェイスの高さが評価され、導入が決まった。また、同時期に仙台市が公開した3D都市モデル(Project PLATEAU)をArcGIS上で迅速に取り込み、活用できることも、今後のビジョンとして展開可能である点が導入を後押しする要因となった。工事現場の稼働状況を把握するため、現場の工事車両に備え付けたGPSの位置情報データをArcGIS API for Pythonを用いて変換し、ArcGIS Onlineに取り込んだ。マップ上で工事車両の位置情報を把握するとともに、現場の天候情報や工事車両付近の河川の水位情報などの公開情報も表示した。また、ダッシュボード上には現場に設置したカメラからのリアルタイム映建設現場の未来を変えるAIダッシュボードトライポッドワークス株式会社

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