Case Studies Vol.15■ArcGIS採用の理由■今後の展望証拠に基づく政策立案(EBPM:エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の実現に向けた取り組み■課題解決手法■効果統合連携DBとGISを連携させた仕組みInsights for ArcGISの活用例Insights for ArcGISを使ってデータ分析を行う 小泉氏(右)と鈴木氏(左)> 住民サービス > 地域政策*本稿は2019年1月に作成されたものですした。「統合連携データベース」に住所辞書を突ワーク下のArcGISサーバー(基幹系GIS)とができた。これにより、職員は、GIS化のための7つのどを使って、分析に必要なデータを簡単な課題解決に向けて、住民記録、税、福祉等の各基幹系システムの連携用データを管理する「統合連携データベース」の存在に注目し、「地域住民に関するデータ」を容易に抽出・加工できる仕組みの検討を開始合して地域住民一人一人のデータに対してXY座標を付与し、バッチ処理にて地理的な分析に必要なデータを基幹系ネットに自動で連携する仕組みを構築することで、従来からの作業を大幅に簡素化するこ統合連携データベースと基幹系GISの連携の仕組みを構築したことで、宛名情報や個人住民税の課税情報等の約90項目が基幹系システムから基幹系GISに自動で連携された。工程を踏むことなく、地域住民データが既に登録された基幹系GISのフィルタ機能な操作で抽出し、地域住民分析マップを作成することができるようになった。地域別や年齢別の所得階層の分析、転出入と所得増減の関係性等、市税の現況や推計のための地図分析が、簡単なマウス操作だけで行うことができる。また、2018年度より採用したInsightsfor ArcGISは、地図とグラフが連動して可視化できるとともに、条件抽出や丁目集計をテンプレート化する機能も備えており、地域分析作業の効率化に大きく貢献今回の仕組み構築に当たっては、基幹系システムベンダーの日本電子計算株式会社から、GISプラットフォームとして完成度の高いArcGISを提案された。ArcGISは基幹系システムとの連携がしやすいオープンなプラットフォームであること。また、データの収集から共有、可視化、分析に至るさまざまな機能が充実していることから採用に至った。している。実証・シミュレーションの結果や証拠に基づく政策立案(EBPM:エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の実現に向け、「経験と勘」から「データ」に基づく行政分析が行える仕組みを構築することができた。統合連携データベースには、個人住民税のほかに、法人市民税、軽自動車税などのデータも格納されており、これらのデータのGIS連携を現在進めている。また、福祉や介護に関する情報についても、個人情報保護やアクセス権の設定等を踏まえ、データ連携を検討している。今後は、Insights for ArcGISにより、統計・集約処理した地図やグラフをページ化し、庁内での共有化を進め、庁内各課における行政施策の検討や分析において、様々な「地域住民に関するデータ」を活用できる環境の実現に向け、関係各課と協力しながら、取り組みを進めていきたい。また、現在は市が所有している静的データのみの分析であるが、さらに分析精度を向上させるために、外部のリアルな動的データ(流動人口データ、気象など)との組み合わせが必要であると考えている。活用事例「経験と勘」から「データ」に基づく行政分析へ
元のページ ../index.html#9