自治体における地図の活用事例集
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Case Studies Vol.19■オープンデータとしての公開・提供■筆ポリゴンの利活用における課題■はじめに■筆ポリゴンとはPROFILE農林水産省(合同庁舎第1号館)https://www.maff.go.jp/j/tokei/porigon/index.html組織名:農林水産省 統計部住所:〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1問合せ先:統計部 生産流通消費統計課電話番号:03-3502-5670Email:fude_polygon@maff.go.jp使用製品ArcGIS OnlineArcGIS EnterpriseArcGIS Survey123課題・公開している農地の区画情報を活用した・GISデータに対する理解・公開データの利用を試行・検討できる環境導入効果・公開データに対する利用者の理解促進・より多くの利用者が公開データを活用した筆ポリゴンに関する情報のWebサイト「農地の区画情報(筆ポリゴン)のデータ提供・利用」デジタル情報班取り組みの普及の整備取り組みへのチャレンジが可能に筆ポリゴン(青線)[左図] およびオルソ画像(国土地理院の地理院タイル)に筆ポリゴンを重ね合わせたイメージ[右図]とは一致しない場合がある。筆ポリゴンは、調査の母集団情報として2010年代前半(平成20年代半ば)から整備を進め、2018年(平成30年)度末までに全国の地域で整備が完了し、2019年(平成31年)にオープンデータとして提供を開始した。この筆ポリゴンは、利用規約等に同意すれば、誰でも複製や編集・加工等、自由に利用することができ、商用利用も可能である。筆ポリゴンは農地情報のデジタルインフラとして、スマート農業などデータを活用する農業経営の実現等に大きく貢献することが期待されている。しかし、筆ポリゴンは農林水産省Webサイトに掲載したGISデータをダウンロードし、利用者がそれぞれ利用する形態であったため、GISソフト等を所有していない利用者は筆ポリゴンが具体的にどのようなデータであるかを容易に確認できなかった。また、GISソフトが利用できる環境を構築し、本格的な利用を始めるにはそれなりの準農林水産省統計部では、農山漁村の実態や農林水産業従事者の構造、農林水産物の生産・流通・加工・消費からなる、フードシステム全体に関する実態の把握に向け統計調査を実施し、調査結果を農林水産統計として公表・提供している。農林水産統計は、各種政策目標の策定や交付金の算定根拠等として用いられるなど、農林水産行政の推進に不可欠な「情報インフラ」としての役割を担っている。また、公表された調査結果は、国民のための「公共財」としての役割も担っている。農林水産統計の1つである作物統計調査では、日本全国の農地を対象に田畑別の耕地面積や水稲の作付面積を「標本調査」により把握しており、その母集団情報として農地の区画情報『筆(ふで)ポリゴン』を整備している。また、この整備情報を基に公開用に調整し、農業関連のオープンデータとして公開・提供している。筆ポリゴンの作成方法(概要)1) オルソ画像(人工衛星画像等)をGISソフトウェアに読み込み・表示2) その画像を目視判読し、一筆ごとの形状に沿った区画の境界を作図し、ポリゴンを作成3) 更に属性情報として、目視判読した地目情報(田・畑)を付与筆ポリゴンの主な特徴1) 全国を対象とした約3,000万件のGISデータ2) 撮影済みのオルソ画像から作成したデータ。ただし現地測量や現地確認、各種台帳との突合を行っていないため、現況の農地、各種の台帳等の状況オープンデータとして提供する「農地の区画情報(筆ポリゴン)」の利活用促進農林水産省 統計部

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