Case Studies Vol.19■課題解決手法■効果■今後の展望調査業務(現地におけるモニタリング調査)モバイル端末での調査により、大量の紙を持ち歩かなくて済み、正確な位置情報を収集できた。作業者に土地勘がなくても迷わずに調査を行えるようになっただけでなく、雨天時でも記録が可能となった。以前は調査票が雨に濡れると、調査後の集計に余計に時間がかかっていた。さらに他の調査班との作業量の調整や進捗管理、また画像の整理などが調査時にリアルタイムに行え、業務の効率化につながった。結果の集計業務(調査結果の取りまとめと組合員へのフィードバック)以前は、現地調査後の集計に多くの時間がかかっていたが、ArcGIS導入後は現地調査と同時に集計が完了するため、組合員へのフィードバックが迅速に行えるようになった。その他にも、連作状況の可視化が可能になるなど、あらゆる場面でArcGISが活躍している。次期オホーツク農業振興方策の策定に向け、ArcGISを活用したデータに基づく高度な解析を行い、さらなる地域農業の発展に寄与したい。さらに14ある農協の組合員が利用できる農業DXツールとしてArcGIS Enterpriseを活用し、オホーツク農業DXを推進する取り組みを計画していきたい。システム概要図コムギ縞萎縮病調査の効果ArcGIS Pro連作状況の可視化例> 資源管理 > 農業ト体制」と「データの汎用性、拡張性」の2ESRIジャパン札幌オフィスとESRIジャArcGISがもつ豊富な機能や、農協組織、2020年(令和2年)に複数の農協の協力こととした。ファイルでエクスポートし、ArcGIS ProにField Maps)に圃場データを表示し、調点である。パンのパートナー企業である株式会社MapsTap代表の関山氏(網走市)より、自治体および学術研究機関での活用事例の紹介があり、導入を検討した。そして、のもと、オホーツク地域で実証試験を行うその結果、特に現地調査業務の省力化において求めていた通りの結果を得ることができた。その間もオホーツク地域を拠点に活動する株式会社MapsTap関山氏より迅速で適切なサポートを受けることができたのも正式な採用理由となった。既存システムから圃場データをシェープ取り込むところから始めた。コムギ縞萎縮病調査の場合、全ての圃場を調査するため、班ごとに調査を計画する。その際に利用したのはArcGIS Proの「エリア内での集計」ツールである。調査班のレイヤーと各班の圃場数の合計を出して調査数を平均化した。ArcGIS Field Maps(以下、査対象の圃場が、所属する農協組合員の圃場かを確認しながら調査を実施した。調査時には、各班の進捗状況をArcGIS Dashboards(以下、ダッシュボード)で確認した。Field Mapsとダッシュボードを組み合わせて利用することで調査が終わっていない班への応援を迅速に行うことができた。準備業務今までの調査は、利用していたシステムから調査対象の圃場を印刷し、手作業で集計し班体制を計画していた。ArcGIS導入後は、調査アプリと進捗管理ダッシュボードを作成したことで、作業時間が短縮された。結果、圃場数や面積の把握、過去の病害虫発生状況の可視化など、調査項目や表示方法が自由にカスタマイズできるようになり、集計結果を効率的に行うための準備が容易となった。活用事例さまざまなデータの見える化と効率的な圃場調査業務の促進
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