Case Studies Vol.16■課題解決手法■効果■今後の展望世帯ポイント管理アプリ要配慮者支援システム 構成図スクールバス路線計画アプリバス運行状況管理アプリ> 住民サービス > 地域政策*本稿は2020年1月に作成されたものですKRIPPに加入している直方市がすでに住(異動受付窓口用GISアプリ)を構築してした。しており、部署横断的にGISデータを利活えた。民基本台帳情報から世帯ポイント化し、最新の世帯位置情報を更新する仕組みいた。そこで香春町でも直方市のノウハウを活かして世帯ポイント管理アプリを構築用できる環境が整っている。そこで、前述の世帯ポイント管理アプリで整備されたデータを利用し、要配慮者の世帯位置情報とアンケート情報を結びつけることを考大量のアンケート情報を入力する手間を解消するために着目したのがArcGISとMicrosoft製品の双方向の連携である。無償で使用できるMicrosoft社のデータベース(SQL Server Express)を利用すデータ収集と整備住民の世帯位置情報の整備について、要配慮者支援政策での利用香春町ではArcGISで統合型GISを構築ることで、ArcGISとMicrosoft Officeを連動できることに着目した。担当職員がMicrosoft Accessで構築した台帳アプリで入力したデータと、世帯ポイント管理アプリを使い、世帯ポイントデータとアンケート情報を1対1のIDで紐付けることで、要配慮者を地図上にプロットし可視化した。世帯ポイント管理アプリの構築は直方市のノウハウを共有してもらうことで安価かつ短期間で行うことができた。また、住民の世帯位置情報が整備できたとともに、常時更新も可能になった。さらに、要配慮者の「居住地」と「アンケート情報」を連携させる仕組みを構築したことで、原課の作業負担を大幅に減らすことができ、加えて災害時により的確な要配慮者への対応計画に活用できるようになった。香春町では、他業務へのGIS活用を推進している。特に、2021年(令和3年)4月に中学校2校、小学校4校を統廃合した1校の義務教育学校が開校するが、それに伴うスクールバス(最大12台)のルート作成に活用している。まず、2021年度に義務教育学校に通う小中学生がいる世帯や将来通うことになるであろう0歳児以上の子供がいる世帯のポイント、そして旧小中学校区などのデータを重ねた。GISを使って空間的に分析することで、住民やスクールバスを運行する事業者との協議をスムーズに進めることが出来ているという。また、スクールバスの運行計画を受けて、2019年にバスのリアルタイム動態把握の実証実験を行った。既に香春町で運行している福祉バスにSORACOM社製のGPSデバイスを搭載し、ダッシュボード形式のWebアプリでリアルタイム監視を行った。将来的に町内を走る12台のスクールバスに搭載し、バスの位置をリアルタイムに取得し住民が閲覧できるアプリとして公開するサービスの展開を考えている。さらに世帯位置情報は災害時の罹災証明書の発行などにも大いに役立つことが期待されているため、その実現方法を検討していく予定だ。最後に、現在香春町はKRIPPの取り組みで4市3町(北九州市・行橋市・直方市・苅田町・香春町・鞍手町・北海道室蘭市)で連携を図っているが、香春町が所属する田川地区でのGIS共同利用もできればより活用の幅が広がることが期待される。活用事例ArcGISの他自治体との共同利用によるノウハウの共有と行政課題の解決
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