自治体における地図の活用事例集
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プラットフォームCase Studies Vol.20PROFILE(宮崎県合法木材流通促進協議会メンバー)宮崎県宮崎市橘通西2丁目2−2ティ確保の仕組みの実現宮崎県合法木材流通促進協議会メンバーの宮崎県森林組合連合会の皆さん組織名:宮崎県森林組合連合会住所: 〒880-0001問合せ先:総務課(代表)0985-25-5133使用製品ArcGIS OnlineArcGIS Survey123ArcGIS InsightsArcGIS DashboardsArcGIS Experience Builder課題・対外的な木材の合法性証明手法の確立・合法性確認の継続的な実施・合法性証明の経営視点でのメリットの検討導入効果・現場から原木市場までの木材トレーサビリ・負担の少ないデータ取得手段の構築・データを活用した経営分析手法の構築原木市場内の木材■概要■課題■ArcGIS採用の理由ことが困難な場合もあった。そのため、宮崎県の林業・林産業全体の社会的信用・評価を今後高めていくべく、木材の合法性確保に関する以下の課題をクリアする必要があった。対外的な合法性証明手法の確立合法性確認の継続的な実施合法性証明の経営視点でのメリットの検討合法性を確認する手法の検討を始めた2019年度初め頃までは、ハンディGPSやデスクトップ型GISを利用した検証を行っていた。しかし、オフライン環境が多い森林の現場では、機器の操作やデータ連携をスムーズに行うことができず、また一からシステムを構築するには時間も費用も掛かってしまうことが懸念されていた。2019年10月頃、スマート林業のアドバイザーである(一社)日本森林技術協会から、ESRIジャパンが提供するクラウド型GISのArcGIS Onlineの提案を受けた。検討の結果、合法性確認を実現するためのシステム(原木管理クラウド)に求めている以下の要件に応えられるサービスであったことから、ArcGIS Onlineをシステムのプラットフォームとして採用した。ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長・ 位置情報とクラウドを利用して木材トレーサビリティを確保・ 木材の合法性確認に加え、販売データを活用した客観性の高い経営にも活用宮崎県は、全国に先駆けて主伐期を迎え、スギ素材の生産量が32年連続で日本一と林業・木材生産活動が活発な地域である。一方で近年、宮崎県では無届伐採や誤伐・盗伐問題に端を発した非合法木材の流通、伐採跡地の荒廃や再造林率の低下などさまざまな問題が見えてきた。このため、合法木材の適正な流通を目指し、必要な仕組みやルールを構築するため、2019年(平成31年)に「宮崎県合法木材流通促進協議会」が結成された。同年より、林野庁のスマート林業への取組支援を受け、木材の合法性確認に必要な原木流通情報を集約するための「原木管理クラウド」を構築した。これはArcGIS Onlineをプラットフォームとして使用しており、2023年(令和5年)現在、実際の運用に向けた検討が開始されている。宮崎県の素材流通システムは原木市場を基幹として構成されているが、原木市場では出荷者が持ち込んだ木材の荷受けから業務が始まるため、合法性証明という観点からみると木材の出どころを全て確認することは容易ではない。これまで宮崎県では、素材生産事業者に対して、伐採届の提出時に発行される適合通知書を伐出現場に掲示し、出荷時に提出することを義務づけてきた。しかし、書類による確認では書類作成の手間が増えるだけでなく、書類のみで合法性を確認する位置情報を活用した木材トレーサビリティの実現宮崎県合法木材流通促進協議会

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