Case Studies Vol.20PROFILE日本財団・瀬戸内オーシャンズX進協議会事務局香川県高松市番町4-1-10香川県環境森林部環境管理課内のか、明確な役割分担がない終わってしまう取り組みの不足に貢献導入パートナー企業組織名: 日本財団・瀬戸内オーシャンズX推住所: 〒760-8570Email:info@setouchi-oceansx.com使用製品ArcGIS OnlineArcGIS Experience BuilderArcGIS StoryMapsArcGIS Survey123課題・海洋ごみの発生源を地理的に把握できない・「誰が」「どのように」海洋ごみを回収する・各地域での対策が地域・個人の取り組みで・自治体・企業・研究者などの分野を跨いだ導入効果・大規模河川調査における多数の地点の調査・海洋ごみの溜まりやすい場所の特定・海洋ごみの流出実態の明確化・調査結果分析の支援組織名:内外地図株式会社住所:東京都千代田区神田小川町3-22電話番号:03-3291-0338Email:touma@naigai-map.co.jp清掃活動情報、清掃活動結果情報を投稿するアプリ■概要■課題■ArcGIS導入の経緯■課題解決手法瀬戸内オーシャンズXは、瀬戸内海に面する4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)と、日本財団が連携協定を締結し、共同で推進している包括的海洋ごみ対策プロジェクトである。調査研究、企業・地域連携、啓発・教育・行動、政策形成の取り組みを行い、瀬戸内海へのごみ流入量70%減、 回収量10%以上増を達成することを当初の目標に掲げている。 各団体が連携することで山から海底にまで広がる流域と閉鎖性海域を捉えた海洋ごみゼロ対策を行い、循環型社会を見据えた「瀬戸内モデル」として世界に広げていくことを目指している。海洋ごみの約8割は陸域から出ていると言われている。しかし、ごみが県や市町村を越えて移動してしまうため、「誰が」「どのように」ごみを回収するのか、その役割分担が曖昧になりやすい。また、各地域での対策が地域・個人の取り組みで終わってしまうことや、自治体・企業・研究者などの分野を跨いだ取り組みが不足していることなども課題の1つである。こうした課題に対して、さまざまな関係者と連携し、プロジェクトにおける調査研究を進める中で随時その目標を見直しながら回収活動などを進め、最終的に瀬戸内海のごみを減少傾向に転換させようとしている。瀬戸内オーシャンズXでは、海洋プラスチックごみの発生抑制を目的に2020年(令和2年)11月〜2021年(令和3年)5月、岡山・広島・香川・愛媛の瀬戸内4県の中の人口が集中する280河川・用水路の延長約1,188kmに沿った23,770の地点で、河川散乱ごみの大規模な散乱実態調査を実施した。この調査における調査対象河川、流域の抽出・選定、調査地点の選定、現地調査、調査結果の集計・分析とその見える化をするためArcGISを採用した。ArcGISを採用した理由の1つとして、豊富な機能に加え、クラウドサービスであるArcGIS Online上でArcGIS Survey123(以下、Survey123)による調査結果の即時共有や調査結果の効果的な見える化が可能であることが挙げられた。ごみの発生源を特定するための解析を実施Survey123により収集された調査結果やその分析結果の蓄積、集約、見える化をする場として「瀬戸内オーシャンズX データプラットフォーム」(以下、データプラットフォーム)をArcGIS Online上に構築した。ArcGISで海洋ごみの発生源を突き止める日本財団・瀬戸内オーシャンズX
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