自治体における地図の活用事例集
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プラットフォームCase Studies Vol.19■概要■課題PROFILE福岡県環境部自然環境課組織名:福岡県住所:〒812-8577 福岡県福岡市博多区東公園7-7問合せ先:環境部 自然環境課 野生生物係電話番号:092-643-3367Email:shizen@pref.fukuoka.lg.jp組織名:福岡県保健環境研究所住所:〒818-0135 福岡県太宰府市大字向佐野39問合せ先:環境科学部 環境生物課電話番号:092-921-9951Email:all-seibutsu@fihes.pref.fukuoka.jp使用製品ArcGIS ProArcGIS OnlineArcGIS Web AppBuilderArcGIS DashboardsArcGIS Survey123課題・生物多様性保全に関する多様な情報の公開・野外調査の位置情報や付加情報の入力、確・一般公開用の地図を作成する工程の省力化導入効果・県民への情報公開の実現・データ収集、入力、分析等の作業の効率化認をする作業が煩雑による迅速な情報更新福岡県生物多様性情報総合プラットフォームのトップ画面「福岡生きものステーション(https://biodiversity.pref.fukuoka.lg.jp/)」・ 生物多様性保全に関する情報を発信するホームページと連携した地理情報の一般公開・ 現地調査アプリとArcGIS Proを連動させた効率的なデータ収集、管理福岡県では、福岡県生物多様性戦略を策定し、生物多様性保全に関するさまざまな施策を進めている。本戦略では、県民の生物多様性保全への意識醸成と行動変革を大きな課題の1つとして捉えている。そこで、生物多様性に関する情報を一元的に発信・提供するホームページとして、福岡県生物多様性情報総合プラットフォームを2022年(令和4年)2月に立ち上げた。このホームページの「生きもの情報マップ」コーナーでは、希少種や外来種などの生物分布情報、自然公園や鳥獣保護区などの保護区域図、植生図などを公開している。これらのマップの基となる調査データは、位置精度やフォーマットがデータごとに異なっており、それらを統一された公開用フォーマットに落とし込む作業に多大な労力がかかっていた。その作業をワンクリックで実行できるシステムをArcGISで構築した。さらに、野外調査データの効率的な取得を目的に、野外で位置情報の取得やデータ入力ができる野外調査アプリを開発した。ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長生物多様性に関する地理情報を一般公開するにあたって、2つの課題があった。① 一般公開用のWebシステムがない複数のレイヤーを重ね合わせてWeb上で表示でき、データの属性が容易に閲覧可能で、背景地図を衛星画像などに切り替えられるなど、ユーザーフレンドリーな公開システムがなかった。② 生物分布データの集計・管理に労力を要する福岡県が保有する生物多様性関係の地理情報のうち、生物分布データについては、県の各種調査やレッドデータブック改訂に係る調査、市区町村や専門家等からの情報提供などにより、データが頻繁に追加される。しかし、位置精度や入力フォーマットが異なるため、データ統合には、手作業での再入力や内容の再確認を行う必要があった。また、希少種については、詳細な位置情報の公開が乱獲等につながるおそれがあることから、詳細な位置情報は公開せず、3次メッシュごとに希少動植物の種数を公開している。そのため、データが追加されるたびに再集計を行う必要がArcGIS OnlineとArcGIS Proを活用した生物多様性地理情報システムの開発と公開福岡県

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