自治体における地図の活用事例集
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Case Studies Vol.17■課題解決手法および効果■今後の展望③災害対策本部ダッシュボード②で入力した被害状況や避難所の状況をリアルタイムに集計・表示するためのアプリ。あらゆる情報を一元的に把握できるため、災害対応関係者間で情報を共有し、迅速かつ的確な意思決定ができる。④災害情報管理アプリ被害状況や避難所情報を修正・管理し、公開設定を行うためのアプリ。関係機関と住民とで公開する情報を切り分けることができるので、情報公開による混乱を避けることができる。⑤防災情報ダッシュボード被害状況や避難所情報を住民が確認するためのアプリ。PCだけではなくスマートフォンからでも閲覧可能である。住民はあらゆる情報を一元的に確認ができ、自助ツールとして利用できる。対策本部が精査して情報を公開しているため、不必要な情報は含まれない。> 危機管理 > 防災*本稿は2021年1月に作成されたものです「庁内のみの情報共有アプリを作成する」「それらを連携させる」といったように職アプリは、GISやプログラミング、ITの知識ArcGISの採用に至ったもうひとつの要イニシャルコスト、ランニングコストが莫Onlineは年間9万円という低コストで1アカウントあれば、アイデア次第でいくらでもアプリを構築することができる。防災業務ArcGIS Onlineに付属する現地調査アDashboardsを活用し、災害時の「被害調まで一連の流れで利用できる5種のアプリ“誰が” “どこで” “どのような対応をするなかった。「公開型のアプリを作成する」員のアイデア次第で多様なアプリを構築できると考えた。実際に運用を始めているがあまりない担当職員でも作成できた。因は価格である。システムを導入する際、大にかかることから、様々なシステムの紹介を受けるものの、なかなか導入に踏み切れない現状があった。その点、ArcGIS に限らず全庁的に活用できるもので、費用対効果が優れていると判断した。プリのArcGIS Survey123やArcGIS 査~関係者間での情報共有、住民公開」を構築した。①調査前ポイント入力アプリ住民から電話等で被害の通報を受け、 のか”を地図上に入力するためのアプリ。②被害箇所調査アプリ①の入力情報を基に現場に行き、被害の状況を入力するためのアプリ。その調査結果が災害対策本部ダッシュボードにリアルタイムに反映される。本ダッシュボードは、宗像市防災HPで公開している。また、2020年(令和2年)9月に運用を開始した宗像市公式LINEから「防災情報ダッシュボード」に簡単にアクセスできる仕組みを整備する等、さらなる利用の促進に向け本ダッシュボードの周知の強化を図っている。これらのアプリは2020年度から運用を開始した。特に、同年の台風第10号の際には、各担当者が共通のマップで状況を確認するだけで、「関係機関と電話でやり取りをせずともダッシュボードで状況の確認を随時行えた」「自分が管理している避難所施設(学校等)の避難者数等の状況がコロナ禍の中、どこからでも確認ができて良かった」などの声が上がっている。防災分野においては、市内の防災ライブカメラの増設や避難所のWi-Fi設置など防災関連のICT強化を予定しているため、GISとの連携を念頭におきながら、さらなるアプリの作成、改修を行っていきたいと考えている。また防災企画課では、防災業務以外に、「防犯灯調査アプリ」や「選挙掲示板確認アプリ」など、今回学んだ知識を生かして、他業務で利用できるアプリを作成している。今後は、防災企画課以外の部署でも、職員が自分でアイデアを出し、アプリの作成を行える環境を整備し、庁内の業務効率化、市民サービス向上につながるアプリ作成ができればと考えている。活用事例職員が考える運用フローに沿った災害対応アプリを職員自ら作成

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