Case Studies Vol.18■効果■今後の展望避難所ダッシュボード被害情報登録フォーム災害情報管理ダッシュボード> 危機管理 > 防災もArcGIS Survey123を使って集約されある。ものだ。クラウドシステムの採用に関しては、このシステムでは避難者の氏名などの個人情報ンターが庁内に無いということは、災害時成された。被災現場からは写真を含む被害状況がArcGIS Survey123を通じて報告される。避難所からは開設状況や避難者数、職員参集人数などの情報が、こちらる。庁内からは各課、機関ごとの職員の参集状況や、災害の情報、避難所情報、また気象情報などがArcGIS Onlineへと送られる。それらの情報はさまざまなダッシュボードで可視化され、庁内で情報共有される。また、市民へは避難所の開設状況と混雑状況もダッシュボードを使って公開される仕組みである。すべてがクラウド上で完結しており、データの追加、編集、閲覧のすべてがWebブラウザーのみで可能で市民への避難所情報の公開は、以前のシステムには無く、今回から実装されたは取り扱わないという運用により可能になったという。またハードウェアやデータセの被災の可能性を考えると、逆に有利な点と考えられるという。開発にあたっては、コロナ禍ということでWeb会議のみで打ち合わせを行いながら進められたが、特に問題は無くスムーズに進められた。開発後の職員への研修については、コロナ禍により集合型研修を行うことはできないという理由もあり、使い方を説明した動画とマニュアルを提供することで行われた。4月のシステム完成後、しばらくは運用方法の検討が行われていたが、そのような状況下で8月13日から15日にかけて相模原市は大雨に見舞われた。神奈川県内では多数のがけ崩れや土砂の流出などの被害が発生した。この時に災害情報共有システムは実際に使われることとなった。避難所の混雑状況や被害状況の報告やステータスの更新など、ほぼすべてのアプリや機能がここで使われたという。相模原市では多くの市民が避難所へ避難し、満員になる避難所も出た。職員への研修は前述のように動画による説明だけだったにも関わらず、システムの運用についてはトラブル無くスムーズだったという。これは、作成されたアプリが、基本的に初見でも触ることができるようなシンプルな作りになっていたためで、特別な訓練が不要ですぐに使うことができた。実際に使用してみて良かった点として、基本的な機能は従前のシステムから引き継いだものであったが、ダッシュボードは情報が集約され、数字などがわかりやすく表現されているのは改善された点であった。またダッシュボード上でステータスが未完了の災害対応がすぐにわかるので管理がしやすかったという。また以前のシステムでは被災状況は現場でスマホからの入力ではなく、情報を持ち帰って庁内で入力していた。「開発に関して非常に短い期間の中でリクエストに柔軟に対応していただき助かりました。GISというと、とっつきにくかったり、複雑だったりと思われることも多いのですが、初見でも内容がわかるようなシンプルなシステムになっているので説明がしやすく、ダッシュボードによる情報の見やすさなども優れていると感じました」と担当の高木氏は語った。今後、まずは庁内に利用を浸透させていき、ユーザーからのフィードバックを反映させ、改善していきたいと考えている。他には避難指示発令地域のマップへの表示や、また市民公開に関してはスマホでの表示の最適化なども行っていく予定である。活用事例Webブラウザーのみで可能にクラウド化で災害関連情報の追加・編集・閲覧のすべてが
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