自治体における地図の活用事例集
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Case Studies Vol.19■効果■今後の展望暑さ指数の公開画面(PC用サイト)暑さ指数の公開画面(スマートフォン用サイト)> 住民サービス > 情報公開された。環境科学国際センターでは古くからArcGIS製品を使用し、さまざまな分析を行っていた。ArcGIS OnlineはクラウドGISサービスで、地図を中心とした情報公開を行うための機能が豊富に提供されており、ノーコーディング(プログラミングなし)でアプリケーションを作成することができる。高度なIT技であるという点が今回の開発に適していた。また、進化する百葉箱はデータ通信サービスのSORACOMのデバイスを活用して暑さなった。SORACOMとの連携には、いくつか難しいり上げられ、同サイトには、今までにない数のアクセスがあった。ユーザーからは、地図上でスマートフォン版では見られない、今までの暑さ指数の時間変化を折れ線グラフで見ることまた、埼玉県内のいくつかの高校では、モデ組み合わせたIoT機器で、電源には太陽光発電パネルを用いている。Webでの公開には、ArcGIS Onlineが採用術を有する人員がいなくとも情報公開が可能指数を取得している。ArcGISとSORACOMの連携に既に実績があることが決め手と進化する百葉箱は20台準備したが、これは温暖化対策担当主任の大和氏が基盤から作成した完全に手作りの機器である。部分もあったが、ESRIジャパンの協力を得ながら解決し、2022年(令和4年)の6月頃にシステムが完成し、夏に記者発表を行い正式に公開した。Webサイトへ公開後、テレビ埼玉、産経新聞、東京新聞、埼玉新聞等、多くのメディアで取可視化でき、スマートフォンで手軽に閲覧可能な点が好評だった。一方、PCで見ることに対するハードルの高さも見られた。PC版では、ができる。自分が住んでいる場所のすぐ近くには観測点がない、という声も聞かれた。ル校として、暑さ指数を活用して体育授業中の熱中症対策の方法を検討してもらった。高校の先生方からは、暑さ指数の値は指導の指針となっているが、実際の授業の時間変更等までは至っていないとのことであった。また農業関係者からは、暑さ指数の値によって花卉農家のパート従業員が作業する時間を決定するなど、野外活動時の熱中症リスクを下げるために活用しているという声も集まっている。2022年の観測箇所は20か所だったが、今後増やすことを検討しており、現在、県内の工業高校と連携し、学生に観測機の試作を行ってもらっているところである。2023年(令和5年)夏の公開では10台程度増やすことを計画している。大和氏としては、PC版で表示される暑さ指数の変化のグラフを見ながら暑さ対策をしてもらうことを期待していたのだが、スマートフォン版で確認する人が大多数であったため、その点が新たな気づきとなった。次のステップでは、スマートフォン版でも折れ線グラフの公開ができればと考えている。ただ、データの見方には専門的な知識も必要なため、一般の人にも分かりやすく改良することを今後の課題としている。今回のプロジェクトは、屋外でアクティブに活動する人のための情報提供になり、屋内向けではなかった。屋内にいることが多い高齢者向けの暑さ対策はまた別の形で検討しているとのことである。今後の目標としては、スマートフォンからの閲覧が多いため、既存のお天気アプリなどと統合して気軽に暑さ指数データを見てもらえるようにしたいと考えている。「暑さ指数を公開するが故に対策が安全側に振られ過ぎ、行動の制限という方向に向かってしまう一面もあります。一律なルールではなく、現場で暑さ指数を見つつ管理ができる人を作っていく必要があります。そのためにも情報発信は大事だと思っています」と大和氏は語った。活用事例熱中症対策としてオンラインマップで情報提供

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