Case Studies Vol.19■概要■課題■ 課題解決手法とArcGIS採用の理由PROFILE暑さ指数が公開された気候変動適応センターHPhttps://saiplat.pref.saitama.lg.jp/温暖化対策担当(地球環境・自然共生研究領域)主任 大和 広明 氏問合せ先:大和 広明 氏Email:g738331@pref.saitama.lg.jpURL:https://saiplat.pref.saitama.lg.jp/ArcGIS OnlineArcGIS Dashboards・地球温暖化およびヒートアイランドによる埼・県民に対する暑さの啓発、および熱中症対導入効果・Webの地図上で1時間ごとに更新される暑・スマートフォンからでも暑さ指数を容易に見組織名:埼玉県環境科学国際センター住所:〒347-0115 埼玉県加須市上種足914使用製品課題玉県の夏季の高温化策を広める必要性さ指数データを配信ることが可能に進化する百葉箱が設けられている。そこで、熱中症対策のひとつとして、暑さ指数の公開を検討していた。暑さ指数とは、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標で、労働環境や運動環境の指針として有効であると認められており、熱中症対策の目安として環境省から公開されている。しかし、環境省から発表される暑さ指数の場所は埼玉県内で8か所しかなく、更新も1時間ごとであり、埼玉県内の地域差を表現するには不十分であった。そこで、より適切な熱中症対策を促すために、さらに詳しい情報を県民に提供する方法を検討していた。環境省による暑さ指数よりも空間密度の高い情報を提供するために、環境科学国際センターは、まず独自に暑さ指数観測装置を開発した。約10分間隔で観測データを取得し、その結果を埼玉県気候変動適応センターのWebサイト(PC用とスマートフォン用)で簡単に閲覧できるように地図化して公開し、熱中症リスクを県内の地域ごとに把握できるようにした。「進化する百葉箱」と名付けられた観測装置は、暑さ指数を観測し、インターネット経由でリアルタイムに情報収集する。温湿度計と黒球温度計をマイコンに接続して通信装置を埼玉県環境科学国際センター(以下、環境科学国際センター)は、埼玉県加須市にある環境学習施設と環境研究所が一体となった環境科学の中核機関である。2000年(平成12年)に開設され、「試験研究、環境学習、国際貢献、情報発信」をセンターの4つの柱として、環境問題に取り組む県民への支援や、県が直面している環境問題への対応など、多面的な機能を有している。また、埼玉大学の連携大学院でもある。埼玉県は全国的に見ても夏季に高温になる地域であるため、熱中症のリスクが高い。熱中症対策の普及のため、環境科学国際センターでは、県内20か所に独自開発した観測装置を設置し、観測結果である「暑さ指数」をArcGIS Onlineで公開。誰でも簡単にPCおよびスマートフォンで見られるようにした。埼玉県は、1980年代から、首都圏の都市化に伴い海からの涼しい風が届きにくくなる、いわゆるヒートアイランド現象により、夏の気温が高くなっている。さらに地球温暖化が気温上昇を後押ししている背景がある。そのため、県民に対して埼玉県全体が暑いことの啓発、および熱中症対策を広める活動を行う必要があった。地球温暖化を含む気候変動に対する悪影響を減らす適応策を広める事業として、環境科学国際センターの中に気候変動適応センターArcGIS Onlineを利用して多地点での暑さ指数リアルタイムデータを発信埼玉県環境科学国際センター
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