Case Studies Vol.15■課題解決の手法■効果■今後の展望有害鳥獣の目撃・捕獲情報を確認する様子有害鳥獣のWeb入力フォーム南相馬市鳥獣ハザードマップスマートフォン用QRコード> 住民サービス > 情報公開*本稿は2019年1月に作成されたものですクラウドGISのArcGIS Onlineを導入し、ウザの入力フォームに必要な情報となる、撃・捕獲した地点の項目を簡単に入力できるようにした。利用を開始した。有害鳥獣に関する目撃情報や捕獲、痕跡の確認については、日々報告が上がっており、その情報を効率よく記録できることが求められた。ArcGIS Onlineに付属するWebApp Builderを活用し、Webブラ鳥獣種類、個体の大きさや重量、雄雌、目日々上がってくる目撃や捕獲の情報は、市内の原町、鹿島、小高の3つの地区を担当する課員がそれぞれの地区分の情報を入力フォームからシステムへ登録し、その情報は「南相馬市有害鳥獣ハザードマップ」として、市民や農家が閲覧できるようになっている。「南相馬市有害鳥獣ハザードマップ」は、2018年7月に公開され、市のホームページからアクセス可能で、PC、スマートフォンから閲覧することができる。公開された情報は、対策の一つとして有効である侵入防止柵の設置箇所検討の判断材料としても利用できるようになった。「有害鳥獣ハザードマップ」 が公開されたことは県内の自治体として初の試みであったことから新聞にも取り上げられた。それをきっかけに、農政課には、市民からの反響も寄せられ、さらに他の自治体担当者から「有害鳥獣ハザードマップ」についての運用方法や公開方法などの問い合わせを受けるようになった。継続的にマップへのアクセスがあることから、市民や近隣自治体からの関心が得られ、マップの公開が市民に向けた有益な情報提供の手段であることもわかった。また、公開情報はArcGIS Onlineのクラウド上で管理されているため、3つの地区の職員がそれぞれのタイミングで入力し、リアルタイムで共有することができ、離れた場所でも業務をスムーズに行うことができた。まずはこれまで収集してきた有害鳥獣の目撃・捕獲情報を元にして、出没が多いエリアを把握し、柵の設置場所や範囲の検討と優先付けを行っていく。また、日々増加する目撃・捕獲の情報を効率的に把握するために、ダッシュボード機能の利用や、時系列でのデータ管理など、ツールや運用の改善にも取り掛かろうとしている。また、「有害鳥獣ハザードマップ」の公開を通じて、地図の活用が有効であることがわかったので、有害鳥獣対策以外でも政策立案の材料となる情報の分析や、市民向けの情報公開でのGISの活用を構想している。農政課では、南相馬市の農業を盛り立てていくため、農家が安心して農業に従事できる環境作りに向けて、今後もGISを活用していくことを考えている。活用事例有害鳥獣の目撃・捕獲情報をArcGISに取り込み、市民への情報提供を迅速化農作物などへの被害発生を未然に防ぐための対策立案の検討材料として活用
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