PROFILE20 Case Studies Vol.21日野市総務部建築営繕課 主任デジタル改革推進検討会 座長氏家 健太郎 氏組織名:日野市住所:〒191-0016問合せ先:企画部 情報政策課電話番号:042-514-8969Email:josys@city.hino.lg.jp使用製品ArcGIS ProArcGIS EnterpriseArcGIS Online課題・市全域を対象とした分析、政策立案が不十分・行政EBPMを行うための統合的なデータが・施策評価を行うためのツールがない導入効果・地域特性・課題の可視化・政策効果の可視化・場所、人、時系列等統合的データの蓄積が東京都日野市神明1丁目11番地の16防災情報センター2階不足進んでいる■概要■ArcGIS活用の経緯■課題■課題解決手法日野市は東京の東西ほぼ中心部に位置し、約18.8万人(2024年現在)が暮らす郊外都市である。市内には多摩川、浅川の二本の一級河川が流れ、古くは水田が広がる田園地帯であった。その多くは都市化により姿を消したが、今でも延長118kmの用水がまちの特徴となっており、多摩丘陵など緑豊かな環境が広がっている。また、市の北西部には高度経済成長時に造成された工業団地があり、企業の研究施設等が集積するなど、企業に隣接するベッドタウンとして発展してきた都市でもある。人口急増に伴い居住に特化した日野市は、時代の経過とともに、都市インフラの老朽化、居住世代の均質化による高齢課題、公共施設需給のミスマッチ、コミュニティの衰退などの課題が生じている。日野市はArcGISを用いて地域ごとの特性や課題を可視化し、まちづくり分野における業務改善や政策立案、分析・評価を行ってきた。今後は住民情報システムとGISの連携による匿名化処理済の住民統計データが各政策、取り組みに活かされることが期待されている。日野市は、2002年(平成14年)からGISを活用しており、2012年(平成24年)にはArcGISを導入している。当時、東京都主導の都市計画分野における土地利用状況調査の結果を紙で受け取っていたが、情報の利活用を促進する目的でGISを導入することとなった。ArcGISの採用理由は、機能における自由度の高さが挙げられる。地図の分析機能が豊富なのはもちろん、地図以外のアプリケーションも豊富に揃っているため、多様な取り組みや業務において、用途や目的に合わせたカスタマイズが可能である。特に公共事業においては、デジタルツールを用いて一定程度合理的な理由をもとに政策立案をしたとしても、予算、議会、市民、政治等さまざまな要因によって、必ずしも分析や取り組み実行のタイミングが合致するわけではない。そのため、アプリ構築に自由度の高さがあることで、そのタイミング、ニーズに合わせてユーザー自身でカスタマイズができることはメリットが大きい。地域の課題や特性を可視化することは、住民や行政がその地域にあった解決策を見つけることの手助けとなる。日野市南部の丘陵部では高度経済成長期に整備された住宅地や団地が多く存在することから住民には高齢者の割合が高い。最近では、スーパー、コンビニや診療所等生活に必要な民間サービスの撤退も目立つようになってきている。地理的に見ても道路に傾斜があり狭く、住宅地も密集しており、公園や公共施設も少ない。そこで、ArcGIS Onlineのダッシュボードを利用し地域特性や課題を可視化した。・ 都市機能可視化ダッシュボードこのダッシュボードのマップには、商業、医療、福祉、子ども、交通、公共、民間それぞれの拠点から身近に通える範囲(徒歩500m圏域)を地図化した。人口構成、推移のグラフや、各拠点数の表示、その内訳の切替機能(たとえば商業機能であれば、スーパー・コンビニ・ショッピングセンターの施設数、移動販売や飲食可能な空き家拠点等も含む)に加え、小中学校の学区域や町丁目ごとに集地域特性・課題の可視化で政策立案への利活用東京都日野市 デジタル改革推進検討会
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