プラットフォームCase Studies Vol.17■ArcGIS活用の経緯■課題解決手法と効果■概要PROFILE秘書広報課 情報推進担当右から小松 茂 氏主幹 GIS専門員 説田 紀子 氏今井 真志 氏主査 組織名:長野県岡谷市住所:〒394-8510 長野県岡谷市幸町8-1問合せ先:企画政策部 秘書広報課電話:0266-23-4811(内線:1361)Email:joho@city.okaya.lg.jp使用製品ArcGIS自治体サイトライセンス課題・あらゆる業務分野でのGIS活用・職員のスキル向上と利用促進導入効果・現地調査業務を始めとした業務効率化・マップや市民投稿型アプリの公開による市民サービスの向上 GISを利用する職員・ 職員主導でシステム・アプリの構築と運用を行い、業務効率化に貢献・ 庁内共有ポータルの構築により、組織内でのGIS利用を促進岡谷市は、長野県のほぼ中央に位置する。諏訪湖の西岸に面し、湖と四季を彩る山々に囲まれ、遠くには富士山、東には八ヶ岳連峰を望む風光明媚な都市である。明治から昭和初期にかけて「生糸のまちシルク岡谷」として日本の近代化に大きく貢献し、戦後は時計、カメラを中心とする精密機械工業が盛んになった。現在は、精密加工技術をさらに進化させ、これまでの自動車や省力化機械はもとより、医療・ヘルスケア、航空・宇宙など次世代産業に関わる分野においても、その「超精密加工技術」は高い評価を受け「次世代を創造するものづくりのまち」として発展を続けている。岡谷市は、2011年(平成23年)にArcGIS自治体サイトライセンスを導入した。統合型GISを活用し、行政事務にGISを取り入れることで、位置情報を持ったデータを総合的に管理・加工し、高度な分析や迅速な行政サービスを促進するとともに、庁内の各部署間で横断的にデータを共有、利用することで行政コストの削減と効率化を目指している。庁内での利用拡大と業務効率化、市民サービスの向上のため、組織・人材教育・システム面でArcGISをフル活用する体制を職員主導で構築してきた。現在、GISの活用範ArcGISプラットフォームの特長ArcGISプラットフォームの特長囲は大きく広がり、市民サービスの向上にも貢献している。2011年にArcGIS自治体サイトライセンスを導入する以前、庁内には複数の業務特化型GISが導入されていたが、導入目的・時期もバラバラで活用しきれていない状況だった。2006年(平成18年)に発生した豪雨災害を契機に、紙ベースの地図からの脱却を目指し、建設水道部でArcGISの導入が決定した。ArcGISの汎用性の高さと、職員自身でシステム構築・運用が可能であることが決め手となった。建設水道部での運用が成果を上げると、他部署でも要望が寄せられるようになり、庁内での利用が拡大してきた。ArcGIS自治体サイトライセンスの導入以降、GISデータの整備と人材教育に取り組み、組織の垣根を越えたGIS活用を実践してきた。持続可能なGIS活用の仕組み導入からおよそ10年を経て、GISの利用は市民生活課や環境課、農林水産課、防災や選挙など様々な部署・分野に広がっている。GISの運用を取り巻く体制も大きく変わってきた。当初建設水道部の有志メンバーを中心に構成され組織横断的に拡大した「GIS研究会」は、新たに「GIS整備室(のちに秘書広報課に統合)」として組織化され、GIS利活用、運用ルールの策定、データ整備や人材育成を推進してきた。人材育成には庁内から選出した職員による専門部会を立ち上げ、職員のスキルに応じ職員主導で運用を続けるGISが貢献する、行政事務と市民サービスの変革長野県 岡谷市
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