ArcGIS 事例集 Vol.17
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6Case Studies Vol.17ワクチン提供施設と対応想定世帯ワクチン提供施設と人口分布ダッシュボード1. ワクチンの保管と配布が可能な施設ワクチンの接種プロセスにおいて潜在的フェーズ1で活用されるだろう。この段階では、ワクチン接種の対象者はの特定な施設をマッピングすることは、その地域で対応可能な接種対象人口を特定するための最初のステップである。現在開発中の2つの主要なワクチン候補は両方とも冷蔵が必要であり、一方は摂氏-70度での超冷蔵が必要である。この種の冷蔵施設は、大規模な病院、研究施設、および一部の大規模な薬局に存在し、通常すでに他のワクチンを投与している施設である可能性がある。よって、これらの大規模な施設は、ワクチン配布プロセスの限定され、新型コロナウイルスに感染した患者に直接曝露する可能性のある医療現場で働く人々、社会活動に不可欠な仕事に従事する人々、たとえば救急隊員および警察官、食品および流通従事3. アクセスのギャップ特定および代替配布オプションの策定潜在的なワクチン接種施設の特定と、対象集団の優先順位付けを行うと共に、需要と供給のギャップを確認し、緩和のためのシナリオを作成する必要があるだろう。ワクチン配布計画のフェーズ2では、優先的な集団に含まれない人々でワクチン接種を希望する人々がワクチン接種会場の収容能力を超えてしまう可能性がある。また計画された接種会場に来ることが難しい人々をカバーするために、GISを活用し便利な場所に特別な接種場所を設ける、あるいは、訪問型ワクチン接種チームを配置するなどの工夫が必要になるだろう。4. ワクチンの保管および在庫管理システムの実装現在のワクチン候補はいずれも、新型コロナウイルスに対する免疫生成のために2回の接種が必要で、相互のワクチンには互換性がない。したがって、どのワクチンの接種を受けたのかを記録し、いつ2回目の接種を受けるのかを計画することが不可欠になる。このため、ワクチン接種を担当する組織は、ワクチンをまとめて保管する容器、個体容器と個々の予防接種記録を紐づけて記録するシステムを必要とする。システムは変更がありうるワクチン接種プロセスに対応し、ワクチンの供給、有効期限、および潜在的なトラブルの追跡をサポートする必要がある。ワクチン供給状況の追跡に加えて、医療従事者のための個人用保護具(PPE)とワクチンキット(針、注射器、アルコール、パッドなど)の在庫を管理する必要もある。ArcGIS Survey123を活用すると、スマートフォンまたはタブレットでこのデータを収集するための使いやすいアプリを運用することができる。今まで行ってきた、入退院、病床数、PPEの在庫に関者、教師および学校職員、保育士などが含まれる。流通プロセスのフェーズ2では、より多くのワクチンが利用可能になると予想される。このフェーズでは、職場、診療所、病院、保健所、小売店、高齢者センターなどでの接種が必要になってくるだろう。2. 接種を優先する集団の特定および優先順位付けワクチンの供給量はすぐには十分ではないため、利用可能な分量を戦略的かつ倫理的に分配することが重要になるだろう。次に優先されるグループは、癌、糖尿病などの基礎疾患を持っている人々、65歳以上の高齢者などが含まれる。優先順位付けの3番目のグループは、ウイルス感染に脆弱な、たとえば、身体障碍者、ホームレスなどの社会的弱者、移動手段を持たない人々などが含まれる。ワクチン配布の担当組織は、総人口と各優先グループの人口を把握し、その人口のうち何人が予防接種会場に容易に来ることができるのかを確認することが必要になる。すべてのニーズが確実に満たされるように、優先グループの人数、施設の収容人数、ワクチンの供給量を一致させることが重要になる。医療現場における新型コロナウイルス対応海外事例と今後の課題米国ジョージア州における病床と人工呼吸器の需要予測に新型コロナウイルスワクチンの効率的、公正な配布を進める

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