ArcGIS 事例集 Vol.17
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Case Studies Vol.1751取り組みの流れ> 新エネルギー > 電力■課題解決手法■効果■今後の展望2019年度の研究プロジェクトで整備さArcGIS Onlineを採用し、発電ポテンザー側で実施できるような柔軟な基盤であるという点から、ArcGISを採用することとした。れた海域に関する空間情報は、日本の領海を約500mに区切ったメッシュに、離岸距離、年間平均風速、水深、船舶通行量、漁業権の設定海域であるか否か、という情報が格納されている。本取り組みでは、この情報を基に、洋上風力発電ポテンシャル可視化プラットフォームを構築し、「洋上風力導入量GIS評価ツール」と名付けた。公開におけるデータ保管・配信基盤はシャルを可視化し、条件・シナリオごとにインタラクティブに絞り込み表示するツールとしてArcGIS Dashboardsを活用して公開用アプリを構築した。構築したWeb GISプラットフォームでは、離岸距離、年間平均風速などの環境条件のそれぞれの状態に関して、閲覧者側で任意にフィルタリングができるように設計したほか、洋上風力資源の開発シナリオごとに設定した標準的な環境条件を一括で切り替えられるようにし、洋上風力資源の開発に関する参考情報を迅速に取得できるよう設計を行った。本プラットフォームは、2020年(令和2年)12月に電力中央研究所ホームページ上で一般向けに公開した。ArcGIS OnlineおよびArcGIS Dashboardsを用いて洋上風力導入量GIS評価ツールを構築したことにより、従前は研究成果をまとめた論文内の図表などによってのみ公開されていた、日本近海の洋上風力資源の状況のより効果的な可視化を実現した。本プラットフォームが、エネルギー政策の立案に関わる政府関係者や研究者などの関係者に活用されることで、洋上風力発電の設置においてボトルネックとなる制約条件を把握し、現実的な洋上風力発電の導入目標の策定に貢献することが期待されている。本Webプラットフォームは今後、関係者や一般ユーザーからのフィードバックなどを経て、さらなる活用を促すべく改善を進めていく予定である。それに加えて、今回の公開対象であった洋上風力発電だけでなく、太陽光発電と陸上風力発電の適地・ポテンシャル情報の整備、公開も検討している。電力中央研究所の研究成果およびArcGISプラットフォームが、エビデンスに基づく再生可能エネルギーに関する政策策定に活用されることが期待される。Web GISプラットフォームを用いて解析結果をインタラクティブに公開活用事例

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