ArcGIS 事例集 Vol.17
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プラットフォームCase Studies Vol.1750PROFILEindex.htmlとなる制約要素の把握への貢献洋上風力発電社会経済研究所 特別契約研究員尾羽 秀晃 氏組織名:一般財団法人 電力中央研究所住所:〒100-8126  東京都千代田区大手町1-6-1問合せ先:社会経済研究所 URL: https://criepi.denken.or.jp/jp/serc/使用製品ArcGIS Desktop ArcGIS OnlineArcGIS Dashboards課題・ 研究成果のインタラクティブな可視化・ 公開用のWebプラットフォームの構築コスト導入効果・ 洋上風力発電の設置においてボトルネック・ 現実的な洋上風力発電の導入目標の策定・ 標準機能のみを用いて、短期間でのWeb GISプラットフォーム構築を実現・ 大容量データを快適に描画できるデータ加工を実施電力中央研究所 社会経済研究所では、再生可能エネルギーや電力事業に関わる政策評価の研究を行っている。本取り組みでは、研究成果である、洋上風力発電の利用対象海域および同海域に設置可能な風車の設備容量をクラウドGISのArcGIS OnlineおよびArcGIS Dashboardsを用いて可視化し、Web GISプラットフォームとして公開した。わが国のエネルギー政策に活用されることが期待されている。温室効果ガスの大規模削減に向けて洋上風力発電に対する期待が高まる中で、わが国でも2019年(平成31年)4月に再エネ海域利用法が施行され、洋上風力発電の環境整備の枠組みが整備されつつある。このような背景を踏まえ、電力中央研究所では、洋上風力発電の開発に適した海域の把握および同海域における設置可能な風車の設備容量の算出を■概要■課題■ArcGIS活用の経緯ArcGISプラットフォームの特長ArcGISプラットフォームの特長行うべく、ArcGIS DesktopやArcGIS Spatial Analystなどを用いて適正面積の解析および算出を行っていた。これまでの環境省による調査では、洋上風力発電が開発可能な海域は膨大にあることが示されていた。しかし、電力中央研究所の研究によって、船舶や漁業、景観などへの影響を考慮すると、洋上風力発電に適した海域は大きく減少することが示された。本研究の成果は「再エネ海域利用法を考慮した洋上風力発電の利用地域に関する考察」(尾羽, 2019)として公開されている。一方で、洋上風力発電の設置に適した海域の把握に関しては、複数のシナリオ・条件下でのポテンシャルを比較するため、よりインタラクティブな形での研究成果の可視化が課題となっていた。先述した研究の成果である海域環境条件・ポテンシャル情報をWebプラットフォームとして公開・閲覧可能なものとするにあたって、電力中央研究所では、Web GISを用いた洋上風力発電ポテンシャル可視化プラットフォームの構築を検討した。これにより、今後長期的なエネルギー計画に関する議論等に向けて、現実的な洋上風力発電の導入目標の検討に貢献することが期待される。可視化プラットフォームの基盤としては、ポテンシャル算出の際に作成したデータをそのまま活用することのできる基盤であること、また短期間で構築ができ、かつ構築後に細部の文言、レイアウト変更をユー洋上風力発電の利用対象海域を効果的に可視化一般財団法人 電力中央研究所

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