Case Studies Vol.17 30PROFILE左から神道学科 教授 板井 正斉 氏コミュニケーション学科 准教授 桐村 喬 氏長谷川 怜 氏国史学科 助教 組織名: 皇學館大学住所: 〒516-8555 三重県伊勢市神田久志本町1704問合せ先:桐村 喬 氏Email:t-kirimura@kogakkan-u.ac.jp使用製品ArcGISアカデミックパックLarge課題・学生のICT機器活用スキルの不足・高校地歴免許取得希望者のGISスキルの不足・GIS研究環境・情報発信プラットフォームがない導入効果・GISを使った卒業研究の増加・GIS教育の効果的な展開、普及活動・高度なGIS研究の展開・ArcGIS Onlineを使った研究成果公表文学部 コミュニケーション学科皇學館大学■概要■課題■ArcGIS採用の理由■課題解決手法三重県伊勢市にキャンパスを置く皇學館大学では、「伊勢志摩定住自立圏共生学」教育プログラムをはじめとして、伊勢志摩地域を中心とした地域連携や地域貢献を果たすことのできる人材育成に取り組んでいる。GISはそうした地域連携や人材育成に効果的なツールであるものの、教育・研究の両面でGISの導入は十分ではなかった。同大学では2016年(平成28年)以降、GIS教育および研究のプラットフォームとして、ArcGISの導入が図られるようになった。2017年(平成29年)からは、「GIS Day in 伊勢」が開催されるようになり、地域に対するGIS教育とGISの普及活動も展開されている。2019年(令和元年)には、「GIS学術士」資格に対応するカリキュラムが文学部コミュニケーション学科で開始され、GIS教育が本格的に展開されてきている。また、学内へのGISの普及も進み、GISを用いた共同研究も展開されているだけではなく、ArcGIS Onlineの活用によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う社会の変化に関する最新のGIS分析結果の発信も行われている。GIS教育の必要性これまで、皇學館大学では、地理学やGISを学ぶ体系的なカリキュラムがなく、ICT機器を活用する学生のスキルも不足していた。また、2022年度(令和4年度)からの高等学校における「地理総合」の必履修化に備え、高校地歴免許取得希望者に対するGIS教育の必要性があった。GIS研究の推進の必要性GISを活用する教員がそれほど多くはなかったため、GIS研究が積極的には行われてこなかった。また、地域に関する様々な研究成果を発信するためのプラットフォームもなかった。ArcGISは、様々な用途に活用できる総合的なGISプラットフォームであり、教育機関向けのパッケージを提供しているなど、導入しやすい状況にあった。また、文系学生が多く、ソフトウェアのインストールや使用時に様々なトラブルが発生することが想定され、日本語によるヘルプが充実している点でArcGISは非常に魅力的であった。GIS教育の展開ArcGISの導入以降、2017年からは既存科目にGIS教育を取り入れてきた。また、2018年(平成30年)には、コミュニケーション学科の学生と桐村助教(当時)、教育開発推進センター(当時)の板井准教授(当時)が三重県明和町と協力して、町内の「山の神」と呼ばれる碑のGISデータを作成し、「「山の神」アプリ」として公開した。2020年(令和2年)からは、文学部コミュニケーション学科で、(公社)日本地理学会の「GIS学術士」資格の対応科目としてGIS実習Ⅰ・Ⅱが開講されている。GIS実習Ⅰでは、ArcGIS Proを使用する予定であったが、COVID-19の拡大に伴いオンライン授業となったために、急遽文系学部・学科におけるGIS教育と研究でのGIS活用皇學館大学
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