Case Studies Vol.17PROFILE(※1) GIGAスクール構想:・ 1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たち一人一人に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する・ これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図り、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す (出典:文部科学省)28三津浜中学校の生徒の皆さん三津浜中学校組織名:松山市立三津浜中学校住所:〒791-8053 愛媛県松山市若葉町8-48組織名:愛媛大学住所:〒790-8577 愛媛県松山市道後樋又10-13組織名:愛媛県警察松山西警察署住所:〒791-8052 愛媛県松山市須賀町5-36問合せ先:愛媛大学 教育学部 講師井上 昌善 氏Email:inoue.masayoshi.xk@ehime-u.ac.jp使用製品小中高教育におけるGIS利用支援プログラム課題・ICTを活用した地域調査のための技能の習得・地域社会の課題解決の担い手の育成を目指導入効果・アプリを活用することでフィールドワーク調査・多角的な視点から自分の地域の安全を守るた・地域社会への参画を促す学習体験愛媛大学す授業実践の実施・集計を効率化めの考察警ら箱の設置されている地点■概要■課題■ArcGIS採用の理由について調査し、収集した情報や資料を多角的に考察したり、その結果に基づいて議論を行ったりする学習が求められる。また、地域課題に関して、調査した結果を学習の成果物として地域に発信することで、地域社会の課題解決の担い手として必要な資質・能力の育成につながる学習を展開することが重要とされている。井上講師は、2018年(平成30年)3月まで公立中学校の社会科教諭として、GISや地図を活用し、地域の課題に取り組む授業の実践を継続的に行っていた。2018年4月より愛媛大学教育学部の教員に着任し、松山市教育研修センター事務所にて教員研修を担当するようになる。そこで三津浜中学校の髙岡遼介教諭と出会い、生徒が地域の課題解決の取り組みに参画できるような社会科学習を開発するに至った。教材として注目したのが、地域に設置されている警ら箱である。警ら箱は、地域住民が地域の安全に関する意見や要望等を自由に記入し関係機関に届けるために設置されたものである。この警ら箱の機能や役割に着目させることで、安全を守るための取り組みの意義を考察させることができ、より望ましい取り組みのあり方を探究させる授業を行うことができると考えた。教員・生徒のICT活用は、教育現場において重要視されている。そこで課題となるのが、情報活用能力の育成である。情報活愛媛県松山市立三津浜中学校(以下、三津浜中学校)は、家庭や地域、校区の小学校等との連携を通して家庭や地域を愛し、愛される学校づくりを目指した教育活動を推進している。ESRIジャパンでは、「小中高教育におけるGIS利用支援プログラム」を展開しており、GISソフトウェア、クラウドサービス、サポートなどを、小中学校・高等学校へ無償で提供している。三津浜中学校も本プログラムを活用し、2020年(令和2年)1月16日~17日に、中学2年生(約150名)を対象に社会科地理的分野「地域学習」の単元において「三津浜安全プロジェクト」と題した「安全教育」をテーマとした授業を実施した。本授業は、愛媛大学の井上昌善講師が中心となって開発したもので、実践に当たって松山西警察署が安全面に関する地域の取り組みの紹介、ESRIジャパンがGISを活用したフィールドワーク等の授業支援を行う役割を担った。中学校では、2021年度(令和3年度)より新学習指導要領に依拠した教育活動が完全実施となる。地理的分野では「日本の様々な地域」に新しく「地域調査の手法」と「地域の在り方」が設定された。主体的・対話的で深い学びを実現するためには、地域の課題地域に潜む危険をGISで調査・可視化愛媛県松山市立三津浜中学校/愛媛大学/愛媛県警察松山西警察署
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