Case Studies Vol.1726PROFILE用増加反映時間の短縮秋田県庁舎組織名:秋田県生活環境部自然保護課 住所:〒010-8570 秋田県秋田市山王4-1-1 問合せ先:生活環境部 自然保護課電話番号:018-860-1614使用製品ArcGIS OnlineArcGIS Survey123課題・野生生物の目撃情報の収集と情報公開導入効果・住民のツキノワグマの目撃情報マップの利・ツキノワグマの目撃情報の投稿による情報白神山地■概要■課題■ArcGIS採用の理由秋田県には、1993年(平成5年)に世界遺産に登録された白神山地や十和田八幡平国立公園をはじめとした豊かな自然環境が維持され、その中で数多くの種類の野生動物が生息している。秋田県生活環境部自然保護課(以下、自然保護課)は、秋田県内にある自然公園や温泉などの調査・管理、またそこに生息する野生動物に関する調査や被害対策に関わる業務を担っている。近年、ツキノワグマを始めとする野生動物が人里や生活道路など、ヒトの生活圏に出没し、住民からの目撃情報の報告が増え、ときには人身被害も発生している。自然保護課では、住民への注意喚起や農作物被害・人身被害防止のため野生動物の出没情報の把握とその情報公開を行う「野生動物情報投稿アプリ」と「秋田県野生動物情報マップ」を公開した。ヒトの生活圏へのツキノワグマの出没は、作物への被害だけでなく、人身被害も発生することから、メディアでも取り上げられ、住民の関心が高い課題である。県内での目撃情報は、住民から秋田県警に報告され、その情報を自然保護課が集約し、地域別の目撃件数として、県のホームページ等で公開してきた。目撃の場所やタイミングによるが、目撃してから自然保護課に報告が届くまで1週間の時間を要することもあり、その時点ではクマが目撃地点から離れていることが多く、住民への注意喚起としては十分ではなかった。自然保護課では、被害を未然に防ぐ対策として、住民に対して出没情報を迅速に公開することが必要だと感じていた。自然保護課では、クマの目撃情報を住民がすぐに把握できるよう、2017年(平成29年)から目撃報告があった地区単位でマッピングし、オンラインマップとして県のホームページで公開してきた。しかし、当時使っていたマップでは、検索機能や地図の表示機能、日本語入力機能が十分ではなく、別のオンラインマップのサービスを検討することになった。また同時期に目撃情報の精度と、情報の即時性を向上させるため、これまで警察への報告をしてこなかった住民からも広く情報を集める方策も検討した。検討の時期にESRIジャパンからArcGIS Onlineの提案を受け、必要な機能を実現できることが分かった。住民からの目撃情報は、ArcGIS Onlineに附属する現地調査アプリArcGIS Survey123で住民がインターネットを通じて投稿することで収集できる。また、費用については、導入初年度に自治体向けの利用支援プログラムを活用することで抑えることができ、先に実績を作ることで翌年度の予算をスムーズに確保することができた。ツキノワグマの目撃情報の投稿アプリとマップ公開秋田県
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