Case Studies Vol.1722PROFILE組織名:熊本県警察本部 住所:〒862-8610 熊本市中央区水前寺6-18-1 問合せ先:交通部 交通企画課電話番号:096-381-0110使用製品ArcGIS Online課題・県民からの交通事故情報提供のニーズの高導入効果・県内の交通事故発生状況を一般公開・学校での交通安全教室でのマップの活用熊本県警察シンボルマスコット「ゆっぴー」まり熊本県警察本部庁舎■概要■課題■ArcGIS採用の理由熊本県は九州の中心部に位置し、古くから交通の要衝である。雄大な自然が生み出した阿蘇山や歴史を感じる熊本城や天草をはじめとした観光スポットが多く、県内外の観光者やツーリングを楽しむ旅行者が多く訪れている。近年では2016年(平成28年)の熊本地震や、2020年に発生した令和2年7月豪雨で道路に大きな被害があった。熊本県警察本部 交通企画課(以下、熊本県警)では、交通安全対策の一環として、各地域の警察署を通じて、県民向けに交通事故の多発地点に関する情報発信を行ってきたが、各方面から地図を使った交通事故に関する情報提供を望む声が多く届いていた。そこで、県内の交通事故情報を県民向けに公開する「交通事故発生状況マップ」をArcGIS Onlineで構築し、2020年4月より公開を開始した。熊本県警では、交通事故に関する情報の一元管理を行う「交通事故情報管理システム」で、発生した交通事故情報の蓄積や、交通事故の傾向を分析し、県警のホームページや広報媒体に、事故発生件数や傾向に関する情報を発信してきた。さらには、各署が行う地域での交通安全対策の検討材料として、その地域での事故の傾向や多発地点の情報を本部から各署へ提供し、各署がさらに細かな学区などの小地域に合わせた交通事故状況の地図を作成し、地域に配布していた。このように情報発信を行ってきたが、事故の発生件数や傾向だけでは発生状況が伝わりにくく、また各署で行っている小地区毎の地図作成が職員の負担になっていた。また、熊本県警が隔年で県民を対象に実施している意識調査では、情報提供に関する要望が高まっており、また県内各自治体の職員やPTA・地域の交通指導員からも、地域内での交通事故情報が分かりやすい形式で提供されることを望む声が多く届いた。各方面から分かりやすい交通事故情報の提供を望む声が多いことから、2018年(平成30年)より交通企画課では提供方法についての検討を開始した。その時期に情報収集の目的で参加したGISコミュニティフォーラムの中で紹介された、三重県警察本部の公開型の交通事故情報オンラインマップを知った。詳細を三重県警へ問い合わせ、熊本県警でも対応できるかを調査した。調査の結果、三重県警で利用していたクラウド型GISのArcGIS Onlineは、専用のサーバーを用意する必要がなく、公開用データの加工作業が少なく、本部のみで公開までの作業が完結することを評価し、熊本県警でも採用することを決定した。また、交通事故情報を公開の際には、すぐに利用できるArcGIS Solutionsの交通事故情報公開テンプレートが無償公開されており、交通事故情報のデータを用意するだけで、すぐに公開できることも選定要因の 1つとなった。ArcGIS Onlineを活用した交通事故情報の公開熊本県警察本部
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