ArcGIS 事例集 Vol.17
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Case Studies Vol.1710PROFILE仮想ベッドのデータ表示応における現場業務の負荷と関係者間での迅速な共有軽減集データの迅速な可視化と共有札幌医科大学 公衆衛生学 兼 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座助教 小山 雅之 氏組織名:北海道公立大学法人札幌医科大学住所:〒060-8543 札幌市中央区南1西17問合せ先:公衆衛生学講座第一研究室電話番号:011-611-2111 (内線27420)Email: masa3yuki3@sapmed.ac.jp使用製品ArcGIS OnlineArcGIS Survey123ArcGIS DashboardsArcGIS StoryMaps課題・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対・収集データの、個人情報に配慮した可視化導入効果・COVID-19対応における現場業務の負荷の・ArcGIS Onlineをプラットフォームとした収・迅速で柔軟な水平展開■概要■課題■ArcGIS採用の理由札幌医科大学では、札幌市が行う新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応にかかる健康観察データ収集の効率化と現場対応業務の負荷軽減を図るため、ArcGIS Onlineに付属する現地調査アプリであるArcGIS Survey123を中心とした仕組みを構築した。対応のための判定基準も流動的だった当時の状況下において、ArcGIS OnlineのWebアプリを活用して、手早くプロトタイプを構築してスモールテストを繰り返した。このようなサイクルで開発を進めたことにより、状況の変化に柔軟に対応しつつ、情報の収集から集約、関係者間での共有までを迅速に展開する仕組みを構築することができた。また、水平展開も容易で、対象となる施設が増えた際の準備にかかる時間も圧縮できた。COVID-19の感染拡大に伴い、札幌市においても2020年(令和2年)4月から医療提供体制の移行が行われ、軽症者については、入院から宿泊療養(ホテルでの経過観察)への移行が図られた。宿泊療養者(以下、入居者)に対しては毎日、常駐の看護師等が電話や訪問にて健康状態の聞き取り調査(アナログな健康観察)により、入院措置に移行すべき入居者の管理などを行っていた。しかし、入居者の増加に伴い、このアナログ作業が膨大な負荷となることが予期されていた。かつ集めたデータをデータベース化することも負担となっていた。また、閾値となる体温、状態を判定する基準の変更など、健康を把握するための基準設定が流動的であったため、適宜、基準の変更に柔軟に対応できるシステム開発が求められていた。さらに、COVID-19は急激に体調が変化する症例が散見されることがわかり、増加する入居者それぞれの状態を適切なリスク因子のもとに評価し、迅速かつ正確に把握することも同時に求められた。札幌医科大学ではArcGISアカデミックパックを導入しており、ArcGISプラットフォームを自由に使える環境にあっ札幌市の新型コロナウイルス感染症への対応をArcGIS Onlineで効率化 札幌医科大学

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