Case Studies Vol.189 地上支援システム(車両型) TERRA LABO Fukushima 管制室 2021年7月4日(日)ドローン空撮(全体俯瞰)共通状況図> 危機管理 > 防災■効果■今後の展望7月5日にはヘリコプターによる情報収集を行るプラットフォームを構築し、共通状況図をか?その運用のフローは以下のとおりである。で災害現場の様子を見た上で熱海市の災害対策本部や消防へ行き、どのような情報共有ができるのかについて話をした。そして、い、土砂災害の現況図に建物の形状を重ね合わせてどの建物が崩落したかを把握でき公開するとともに災害対策本部へ提供した。何故このような迅速な情報共有ができたの① ドローンやヘリコプターによるデータ収集② 収集されたデータを解析拠点にあるストレージに同期③ 地上支援システム(車両型)に搭載されたワークステーションでデータを処理し、地図化④ デスクトップGISアプリ「ArcGIS Pro」で地図をWeb掲載用に最適化⑤ ArcGIS Onlineおよびテラ・クラウドで地図を公開この共通状況図は、NHKや毎日新聞などのメディアで紹介された他、防災科学技術研究所が運営する防災クロスビュー(災害対応に必要な情報を集約し、統合的に発信するサイト)でも公開された。また、内閣府ISUT(災害時情報集約支援チーム) へも共通状況図を提供し、熱海市災害対策本部の被害家屋の調査においても活用されたそうだ。アクセスが集中してもサーバーダウンしないクラウドGISを用いた情報共有プラットフォームが非常に有益に働いた。また、他組織である防災科学技術研究所等とマップ情報のやり取りは発生したが、同じArcGIS Onlineを基盤としていたためデータ連携を迅速に行うことができた。ArcGISでは、さまざまな用途に柔軟に対応できるテンプレートやダッシュボードが提供されているため、アプリを簡易かつ安価に構築することができるが、その点に関して松浦氏は「現場で5分、10分時間があれば1個のアプリが書き出せるパッケージ化されたシステムはとても有効である。非常にクリエイティブに色々なことができるし、多くのことを考えなくても自由に表現ができると考えている」と語っている。また、ArcGIS製品のみならずESRIジャパンのサポート体制も高く評価している。福島県南相馬市に災害対策DXを実現するため新しい拠点「TERRA LABO Fukushima」が2021年11月18日に開所。その中の基幹システムのひとつにArcGISを導入できないかと松浦氏は考えている。そして、早急に対応すべき課題は南海トラフ大震災を想定した体制の確立である。大規模災害が発生した際に広域に情報収集するには、一機による情報収集ではなく、複合的にヘリコプターやドローンを飛ばして情報収集し、可視化をしなければならない。同時多発的に発災する災害に対してArcGISのシステムをどのように活用できるか、目下検証中である。熱海市土砂災害の被災状況を全体把握できる共通状況図を迅速に作成して共有活用事例
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