Case Studies Vol.1843図2 配電線不良発生個所の分析図1 送電線の地上高可視化図3 通信ケーブルの道路等横断・縦断箇所抽出> 公益サービス > 電力■効果■今後の展望による災害を防止するため、ケーブル網のデルや風況といった気象情報など、配電設備周囲の環境情報と重畳・分析することで、風況環境と設備寿命との関係性を可視化した(図2)。通信ケーブルの道路等横断・縦断箇所抽出送配電線には、電力保安装置の制御を目的として通信ケーブルが併せて設置されている。こうしたケーブルが、河川や道路、鉄道軌道といった施設を縦横断する場合には、各施設の管理者に対して占有許可を申請する必要があり、またケーブルの脱落中でも特に留意する必要がある。従来はこうした縦横断については、現場や図面の上での目視確認に基づいたリスト化を行っていたが、ArcGIS Proの空間結合機能を用いることで、網羅的な把握・リスト化を実現した(図3)。データサイエンスチームを立ち上げ、社内からのリクエストに応えてさまざまな地理情報の分析・可視化体制を整えたことにより、業務のデジタル化・内製化が実現できた。これにより、設備運用・保全業務の効率化につながっている。災害対応能力の強化や、再生可能エネルギーへの対応、老朽化設備への対応を背景として、東京電力パワーグリッドの業務や、取り扱う情報は、今後より一層複雑になっていくと予想される。こうした状況下で、データサイエンスチームが果たす役割もより重要度を増していくことが期待される。電力事業者でのデジタルトランスフォーメーションに欠かせないツールとして、GISを今後も活用していく。社内情報資産の見える化・送配電設備保全業務の改善を実現ArcGIS Proを有効活用し、活用事例
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