ArcGIS 事例集 Vol.18
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4Case Studies Vol.18プラットフォームPROFILE環境部自然保護課  技 師 峰村 政輝 氏(左)環境保全研究所 自然環境部  研究員 黒江 美紗子 氏(中央) 研究員 堀田 昌伸 氏(右)ライポスシステム概要図組織名:長野県住所: 〒380-8570  長野県長野市大字 南長野字幅下692-2問合せ先:環境部 自然保護課 自然保護係 電話:026-235-7178使用製品ArcGIS OnlineArcGIS AppStudio課題・高山帯における広域エリアでのライチョウ・紙やメールによる収集では正確な位置や情導入効果・目撃投稿数の増加・オフライン環境でも正確な位置情報の投稿・ライチョウの生態学習サイトとリンクする仕生息状況把握は困難報の取得が不可能が可能に組みで啓発活動にも繋がる・ 情報発信・啓発Webサイトと情報投稿モバイルアプリが連携した即時情報共有プラットフォーム・ 山岳地帯などのオフライン環境でも利用可能な上、操作性を重視した機能改修も容易なモバイルアプリ長野県の「県鳥」で、国の特別天然記念物でもあるライチョウは、地球温暖化の影響により、近年、生息数が急減。絶滅の危機にある。ライチョウの生息域を含む大規模な山岳地がある長野県では、ライチョウを絶滅から守る活動を県民とともに続けており、クラウドファンディング型の寄付を活用したライチョウ保護対策の取り組みも、その一環である。このように官民がスクラムを組むようにライチョウ保護について協力する「ライチョウ保護スクラムプロジェクト」を率いてきた同県だが、活動の要である生息域把握手法がアナログであったため、情報量およびその精度ともに課題となっていた。そこで新たにライチョウ目撃情報投稿アプリを開発し、登山者らの協力を得やすい体制を整えた。スマートフォンアプリという利用者の利便性に配慮したツールを使うことで、目撃投稿数を増やし、正確な生息域情報の収集、視覚化、データ蓄積を可能にした。■概要■課題ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長ArcGISを基盤としたGISプラットフォームの特長長野県版レッドリスト(2015)において、ライチョウは近い将来における野生での絶滅危険性が高いものとして「絶滅危惧ⅠB類」に分類されている。効果的な保護対策を実行するには、まず正確な生息状況を把握する必要があったが、高山帯の広域エリアにおいて継続的に生息状況を把握することは人材、資金的にも困難であった。これまでも山小屋に「ライチョウポスト」を設置して、ボランティアや登山者に協力を呼び掛け、目撃情報を紙やメールによる投稿方法にて収集はしていたものの、年間150件程度の投稿に留まっていた。さらに、投稿された情報には地域による偏りがあったほか、「山小屋から300m付近で目撃」など、正確な位置情報の特定が難しいものも多く、これをとりまとめてデータ化する手法についても課題となっていた。絶滅危惧種目撃情報投稿アプリをスピード開発長野県

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