ArcGIS 事例集 Vol.18
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組織名:GHD Group Pty. Ltd.URL: https://www.ghd.com/en/index.使用製品ArcGIS Survey123ArcGIS Online課題・線路点検および報告書作成の効率化導入効果・現場での作業時間の短縮・質の高い報告書作成38Case Studies Vol.18aspx本稿は、2020年12月の米国Esri社発表事例「Geophysical Testing Company Improves Report Generation with Data Capture Solution」をもとに作成した点検の様子海外事例PROFILE■概要■課題■課題解決手法オーストラリアのシドニー中心部を走る路線距離12.8kmのインナーウェスト・ライトレール(以下、IWLR)は、1855年に開通した旧貨物鉄道の線路を主に使用している。1997年に初めてライトレールの運行が開始され、2000年と2014年にはさらに西へ延伸した。セントラルビジネス地区のセントラル駅から、観光地であるダーリングハーバーを経て、ダリッチヒル方面へ向かう間に、23の地上・地下駅を通過する。この路線の定期点検を請け負ったのがオーストラリアをはじめ世界各国200以上の拠点でビジネスを展開する建設コンサルティング企業のGHD社だ。当初は紙ベースの調査票とデジタルカメラで撮影した写真を使って報告書を作成していたが、これらの作業のためのデータ収集プロセスは、煩雑で時間のかかるものだった。そこで、ArcGIS Survey123を導入し、データ収集の簡素化と生産性の向上を図った。IWLRを構成する架線とスラブ軌道(線路に使われる道床の一種)のセクション(電流区分装置)は、定期的な構造評価を必要とする。GHD社デジタル部門のロケーション・インテリジェンス・グループは、顧客から提供された2015年の前回点検のデータを参考に、2019年5月に定期点検を行う依頼を受けた。本プロジェクトでは、個々の架線と3メートル間隔のスラブ軌道のセクションを評価する必要があった。これを実現するために、フィールドエンジニアのチームが1か月かけて点検を行うことになった。シドニーの鉄道は週末など定期的に運休となることがある。各点検は、その運休期間中に行わなければならず、チーム全体で効率的かつ一貫したデータを収集する必要があった。従来は、紙とペンを使って点検を行い、データはMicrosoft Excelなどのレポートテンプレートに入力していたため、膨大な量のデータ入力が必要であり、転記ミスが発生する可能性があった。また、写真はデジタルカメラで撮影したもので、写真と調査対象物の照合は容易ではなかった。課題は、IWLRの点検のために、チーム全体で合理化され一貫したデータ収集を可能とする革新的なモバイルソリューションを見つけることだった。点検データを各調査対象物やスラブ軌道のセクションごとに個別のPDFレポートとして提出することを顧客から要求されていたため、写真付きの報告書を簡単に作成できる機能も求められた。GHD社は、ウェブやモバイルデバイスを介してアンケートを作成・配布し、データを収集するための調査票ベースのアプリであるArcGIS Survey123を選択した。ロケーション・インテリジェンス・グループはArcGIS Survey123を使用し、点検期間を通してチーム全体で一貫したデータ収集を行うための機能を備えた2つの調査票を作成した。1つはスラブ軌道の評価用、もう1つは架線の評価用に作成され、それぞれ調査項目が用意されている。調査票のドロップダウンメニューから対象物線路の定期点検を現地調査アプリで効率化GHD

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