Case Studies Vol.1825荒川3D河川管内図荒川3D洪水浸水想定区域図> 国土計画 > 河川管理■効果■今後の展望「Arakawa Digital Twin online−荒川3Dラ構造物の点群データやBIM/CIMモデル、周らを集約した3DマップをWebアプリから誰でも閲覧できるようにしたのである。さまざまなデータが存在し、そのデータフォーマットも異なっていたが、デスクトップGISアプリ「ArcGIS Pro」を用いて加工や調整を行た。そして、その3DマップをクラウドGISサービス「ArcGIS Online」に共有し、Web上で閲フォルトのマップビューアーを提供しているが、アプリ構築ツールを用いてカスタムWebアプリをノンプログラミングで作成することもできる。3D河川管内図については、「ArcGIS Web AppBuilder」を使用してWebアプリを作成しないものもあったが、ArcGISを活用することに河川管内図」を公開した(3D河川管内図の公開は日本初)。河川の地形モデル、堤防やインフ辺地域の3D都市モデルなど、高精度な河川管理を実施するための各種データを整備し、これい、ひとつの3Dマップ上に表示できるようにし覧できるようにした。ArcGIS Onlineでは、デた。データの中には専用ソフトが無いと見られよって誰でも閲覧できるかたちで一般公開することができたのである。さらに、その後も流域治水(流域に関わるあらゆる関係者が協働で治水対策を行う取り組み)の一環として、流域治水対策プロジェクト(東京ブロック)の対策状況を公開するなど、随時更新を進めている。3D河川管内図に含めるデータを検討する過程で過去に取得したテクスチャ付き3D都市モデルを表示した際に、その視認性の高さから「この3D都市モデルと3D表示した洪水浸水想定区域図を重ね合わせて表示できないか」という話があがった。それが発端となり、2021年6月28 日に公開されたのが「Arakawa Digital Twin online−荒川3D洪水浸水想定区域図 〜3D洪水ハザードマップ〜」である。このWebアプリは「ArcGIS Experience Builder」を使用して作成され、2Dマップと3Dマップを連動して表示することができる。想定される浸水状況を建物と重ね合わせて3次元で表現することにより、自分が住んでいる場所の洪水リスクを直感的に把握できるようになっている。3D河川管内図および3D洪水浸水想定区域図を一般公開したことにより、TV、新聞、ニュースサイトなどのメディアに取り上げられ、その取り組みや有効性を広く知ってもらえることになった。他の自治体から「うちでも同じようなことができないか」という問い合わせや、一般の人からも「すごくわかりやすい」との声や取り組みに共感してくれる声があった。特に荒川3D洪水浸水想定区域図は見た目にわかりやすく、すでに自治体広報や地域防災で活用され、関係者や周辺住民の防災意識の向上に役立つことができた。対外的だけでなく所内においても効果があらわれている。職員のGISに対する理解が進んだことにより、既存のデータについて「こんな使い方ができないか」、「こんな見せ方ができないか」などアイデアや活用イメージが湧いてくるようになり、情報発信力が向上した。情報発信をする際に重要となるのがデータの表現力であるが、ArcGISを活用することで効果的なデータ表現を簡単な操作で行えるようになり、広報ツールとしての役割も果たしている。3D河川管内図の公開まではデータを表現することに注力してきたが、今後さらに有益な情報を提供して行政サービスの向上につなげていく。例えば、市民が出張所の窓口に出向かないと入手できなかった情報をWebで公開するサービスなどを検討している。また、流域治水を促進していくためにも、河川管理者に問い合わせをしなくても関係者自らが荒川に関するデータを閲覧できるよう情報を提供していくことを目指している。さらに、所内においてはGISを最大限活用し、職員のさらなる作業効率化・作業時間の短縮に取り組んでいく。日本初の3D河川管内図および3D洪水浸水想定区域図を一般公開活用事例
元のページ ../index.html#25