PROFILE20Case Studies Vol.18社会環境学部左から教 授 森山 聡之 氏教 授 中川 智治 氏准教授 乾 隆帝 氏准教授 上杉 昌也 氏組織名:福岡工業大学住所: 〒811-0295 福岡市東区和白東3-30-1問合せ先:社会環境学部 上杉 昌也 氏Email: uesugi@fi t.ac.jp使用製品ArcGISアカデミックパックプレミアムSmall課題・ 近隣大学にはない教育内容やプログラムの導入・ 研究成果の社会還元を通した地域社会への導入効果・ 卒業研究や課題解決型学習、授業外での地域・ 防災アプリの開発と地域の防災意識向上に向組織名:株式会社CTIグランドプラニング住所: 〒810-0041 福岡市中央区大名2-4-12 問合せ先:小山 和孝 氏電話番号:092-737-5333Email:m-moriwaki@fukuoka.ctie.co.jp貢献連携活動でのGIS利用拡大けた活用導入パートナー企業CTI福岡ビル社会環境学部におけるGISカリキュラム■概要■課題■ArcGIS活用の経緯■課題解決手法導入した2013年当時、社会科学領域の学部においてArcGISのサイトライセンスを有している大学は非常に限られており、導入により近隣他大学にはない教育を行うことができると考えた。また、ArcGISは多くの自治体や企業で採用されているソフトウェアであり、ArcGISの利活用能力の習得は、本学学生の就職先の広がりに貢献できるのではないかと考えた。さらに研究者の中でもユーザーの多いArcGISを採用することで、学部内外の教育研究への波及効果も期待した。そして2017年度(平成29年度)までの5年間を、ArcGISを利活用しての教育研究を推進するための体制作りの準備期間として試行等を重ねた。1年次から4年次までの体系的なGIS教育社会環境学部では、2018年度(平成30年度)より日本地理学会「GIS学術士」資格に対応したカリキュラムに改定し、沖縄を除く九州地方では唯一の科目認定校(2021年時点)としての教育環境を整備した。2018年度より開講されている1年次配当科目の「空間情報学I」、「空間情報学II」は、地理空間情報やそれを扱うGISに関する基本的な知識や技術を習得することを目的とした科目である。主に福岡を対象とした人口や経済、自然環境に関するArcGISを用いた空間分析の演習を通して、空間的思考力や課題解決力を養うことも目的としている。また2年次以降も「自然環境調査法」、「防災情報学」、「フィールドワーク」など複数の分野にまたがる専門科目においてもArcGIS福岡工業大学社会環境学部では、環境に関わる諸問題に関して主として社会科学の立場からアプローチし、グローバルな視点から持続可能な社会実現に主体的・自律的に貢献することのできる実践型人材の育成を目的としている。特に現代社会の地域活動に関連するスキルを総合的に学ぶ「地域コース」では、地理情報、自然環境、防災、まちづくりなど文理の枠組みを越えた専門分野が展開されている。それらを学ぶ基盤的ツールとして、また地域貢献につながる研究ツールとしてGISを採用することで、教育・研究・地域連携の各面において広く活用できる環境が整えられ、年々、学部内でのGISの裾野は拡大している。データを視覚的に表現する能力は、目下、当たり前に必要とされている。GIS導入以前の社会環境学部では、様々な事象を地図上に表現できる簡便な手法がなく教育の妨げになっていた。また、ハザードマップの作成などGISには社会的ニーズがあるにもかかわらず、これまで必要となるソフトウェアの導入が十分に検討されてきていない状況にあった。そこで学部では、2013年度(平成25年度)にスタートした第6次の中期運営計画において、「教育の質的転換による付加価値向上」における具体的施策として「魅力ある教育拠点としての学部の付加価値の向上」を掲げ、「近隣大学にはない目玉となるような教育内容、ツールあるいはプログラムなどの導入」を検討推進することにした。また、新たなツールの導入に際しては、研究面においても、特色ある研究によるプレゼンスアップのための分野横断的な研究テーマの創出や、研究成果の社会還元を通した地域社会への貢献をも視野に入れての検討となった。文理の枠組みを越えたGIS教育の展開と地域貢献福岡工業大学
元のページ ../index.html#20