ArcGIS 事例集 Vol.19
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Case Studies Vol.19 43LLS画面連携システムと地図機能故障情報検索画面土砂災害予測画面> 公益サービス > 電力■課題解決手法■効果■今後の展望APIやSDKが公開されている。そのため、ることが期待された。利用者目線では、操ある。既存システムはJavaアプレット方式これまでバラバラだった落雷位置、土壌雨実装されており、また、ArcGISはオープン性を重視した開発思想であるため、各種開発において特定の一社に縛られず、ベンダーロックインになる可能性が低いことも評価された。再開発に伴い、既存機能を新システムに置換しつつ、既存システムの効果も維持す作パフォーマンスの向上は最重要条件でを採用していたが、新システムではWeb方式を採用することで、起動時間の高速化と操作パフォーマンスの向上を図った。また、量指数、故障系統などの情報を収集する手間を削減するため、送変電GISに必要な情報を1つに統合し、PCやスマートフォンからアクセスできるようにした。従来の送電地図情報システムには業務用PC、LLSや土砂災害予測には送電MIT、故障情報は紙媒体、と使用するデバイスも異なり、情報も一元化されていなかった。今回の再開発により各システムが送変電GISとして統合され、特に利用者に対して多くの効果を生むことになった。業務用PCと社用スマートフォンのどちらからでもシステムにアクセスが可能となり、使用デバイスの制限がなくなった。一つのデバイスで一元化された全ての情報にアクセスでき、かつリアルタイムで情報を取得できる効果は大きい。これにより、これまで紙で運用していた地図も廃止となり、経費削減に繋がった。また、サーバーの実行方式を変更したことで起動時間が大幅に短縮され、操作パフォーマンスも格段に向上したことで操作中の利用者のストレスも解消された。「送変電GISにより業務が大きく改善されました。故障・保守業務に関する情報は送変電GISに集約されていますので、今では屋外の現場にスマホだけ持っていけば事足ります。現場では大いに役立っています」と同社システム部の宮口氏は述べる。小河氏はさらに今後の展望を次のように述べた。「送変電GISにより情報が一元化され、使用デバイスの制限もなくなり、導入効果も出てきました。ただ、まだ社員が使いこなしているとは言い難い状況です。送変電GISの効果をみんなが理解して、もっと利用して欲しいと思っています。また、送電部門における工事や伐採、境界の特定など多くの業務で行政機関が公開している法令情報の確認が必要です。現在、Web GISで法令情報を公開する行政機関が増えています。これらの法令情報を送変電GISの一つのレイヤーとして取り込むことができれば、当社と行政機関の確認業務が効率化され、双方にとってメリットがあると考えています。今後、送変電GISを通じて、各団体との連携を進めていければと考えています。」送変電業務の核となるGISプラットフォーム活用事例

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